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外は一面銀世界で、周りには葉のない枝だけの桜や楓の木がある。うちの神社は小さいけど、桜と楓があるところは珍しいんじゃないかな。だから、私はこの神社が大好き! 手水舎の周りを掃除していると、1人の白髪のおじいさんがやってきた。私はお辞儀をして 「ようこそお参りくださいました。」 と言うとその人はしゃがれ声で 「朝からご苦労様」 そう言ってくれた。 そうしておじいさんは参拝を済ますといつの間にかいなくなっていた。 と思ったら、お賽銭箱の前に何かがキラリと光っていた。階段を上がり近づいてみると、そこには懐中時計が落ちていた。  さっきのおじいさんのものかな? 私は懐中時計を手に取ってみると、何もしていないのに唐突に懐中時計の針が高速で反対に回り始めた。  え?え?やばい、何か変なことしちゃったかな 慌てていると歯車が動く音が聞こえた。 でもそれは、懐中時計からじゃない。私の頭の中だ。  カチッ
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