0人が本棚に入れています
本棚に追加
私も励まされる存在に
私は琴響(ことひびき)
中学生の時にいじめられて辛い時にテレビをつけたら岡本真夜さんが『tomorrow』を歌っていた。
『涙の数だけ強くなれるよアスファルトに咲くはなのように見るものすべて怯えないで明日は来るよ。君のために♪』
響には岡本真夜さんが輝いてみえて私もこんなふうに励まされる存在になりたいって思った。
母に勇気を出して響は自分の夢を話す。
響『あのさ‥私さ‥歌手になりたいの』
母『えっ?そう‥』
やっぱり応援されないよね。
でも歌手になりたいんだよね。
どうしたらなれるんだろうと響は考えた。
響は母に歌手になるために思い付いた事を話す。
響『私ね。ライブ配信やろうと思うんだけどダメかな?』
母『大丈夫なの?そんなことやって顔がうつるから、みんなにライブ配信やってるって言われて大変な思いするかもしれないし、住所が解っちゃったら、どうするの?』
響『ダメか‥』
母『そういえば、見つけたの!芸能事務所がオーディションしてるんだって、応募してみたら』
響『やってみる!!』
オーディションを受ける事にした。
オーディションの日が来た。
響は場所がいまいち解らなかったので母に、ついてきて貰った。
母は事務所の近くの喫茶店で待つことにする。
母『響、事務所の近くのあの喫茶店で待ってるよ。響は携帯を持っているから、何かあっても大丈夫ね。でもオーディションを受ける時は携帯をマナーモードにするか電源を消すのよ』
響『わかった』
響は携帯の電源を消した。
事務所にインターホンがあった。
響はインターホンを押す
響『事務所のオーディションを受けにきた。ことひびきです。』
事務所の事務の方『お入り下さい。』
響は事務所のドアを開け中に入った。
事務所の事務の方『あちらの待合室でお待ち下さい』
響は待合室で待っていると。
周りは個性的な子ばかりで可愛い子やカッコイイ子であふれかえっていた。
面接を行う場所に
1人ずつ呼ばれていく。
響の番がきた。
コンコンとドアを叩いて
『失礼します。』
面接官『はい、どうぞ』
響はドアを開け、『宜しくお願いします』
面接官『宜しくお願いします。どうぞ、お座り下さい。』
響は椅子に座る。
面接官『自己紹介をお願いします』
響『ことひびきです。テレビに出ている歌手の歌に励まされて私もこんな人になりたいなと思って応募させて頂きました。』
面接官『そうですか。では、歌を歌って頂けますか?』
響『はい、』
『涙の数だけ強くなれるよ♪アスファルトに咲く花のように♪見るものすべてに怯えないで♪明日は来るよ♪君のために~♪』
面接官『はい。何か質問は、ございますか?』
響『ありません。』
面接官『結果は後日、連絡させて頂きます。ありがとうございました。』
響『ありがとうございました。忙しい中、時間を作って下さり、ありがとうございます。』
響は椅子を立ち横に立ち一礼をする。
ドアを閉めるときも面接官の方を向いて
響『ありがとうございました』と言い、一礼をしてから、静かにドアを閉めた。
事務の方が『終わった方からお帰り下さい』と言うので
響は事務の方にもお礼を言って
事務所を出てから立ち止まって携帯の電源をつける。
母の所へ響は行く。
母『どうだった?』
響『自信はないけど今の私ができる限りの事をしたと思う』
母『とりあえず疲れたと思うから喫茶店のデザートでも頼んだら』
響『いいの?』
母『いいよ。あなたは頑張ったんだから』
響『ありがとう』
響はパンケーキとアイスレモンティーを頼んだ。
2週間後
オーディションの結果が郵送で送られてきた。
結果は不合格だった。
響は泣いた。
母『響を落とすなんて、どうかしてるよ。よし、芸能事務所を見返してやろう。とりあえずボイストレーニングの教室に行こう』
響は泣きながら『ボイストレーニングして歌手の技術を磨いて見返してやる』と言った。
響はボイストレーニングの教室に通い始めようと父に話すと。
父『そんなのやって、何の為になるんだ。歌手になるより定職についた方が安定していて良いぞ』
母は父に解らないように響をボイストレーニングの教室に通わせた。
ボイストレーニングの教室は年会費1万円した。
ビルの中に教室があり防音室でマンツーマンでボイストレーニングをする。
休んでしまっても振替制度で他の日に変える事ができるらしい。
ボイストレーニングに通い始めた。
複式呼吸で歌えるように練習した。
何回も同じフレーズを歌ったりした。
ボイストレーニングの後は喉が疲れているから蜂蜜レモンを飲んだ。
通っていくうちに何回も歌ったフレーズ以外の場所を練習するようになる。
そのうち指摘される事がなくなり
今度は先生に『詞の意味を考えて歌って下さい』と言われた。
響は詞の意味を考えて歌をうたうようになる。
ある時
響『お母さん、ライブ配信始めたい。ライブ配信顔出ししないものもあるんだって』
母『じゃあやってみたら』ってことで
プロフィール登録をして
響は母親と一緒にネット回線が繋がっているか、パソコンを用意し外部カメラと映像キャプチャデバイスと音声ミキサーと照明とエンコーダーソフトとピンマイクを買ってセットした。
資料や写真やテロップも用意した。
そして初めて響は顔出しなしでライブ配信を始めた。
響『初めまして詩(うた)です。歌手になりたくてボイストレーニングに通ってます。良かったらきいて下さい。』と3曲歌って
響『ありがとうございました』
と配信を終わる。
0人だった。
0人は寂しかったけど、それでも良かった。
歌って投稿するって事が初めてで出来て緊張したのと達成感でいっぱいだった。
響は、来る日も来る日も歌を歌ってライブ配信をする。
徐々に観てくれる人が増えていった。
自分で歌を作ってライブ配信で発表したくなった。
響は自分の歌を考えた。
今の思ってることを歌詞にした。
『私は、ずっと暗闇にいた。あなたの歌声をきいて、暗闇でも前を向こうと思ったんだ。そんな気持ちにしてくれたあなたのように私は決意した。あなたのような励ませる人間になるんだと』
そんな歌詞を作った。
今の響の状況そのものだった。
それにメロディーをつける。
メロディーのつけ方が難しかった。
なのでボイストレーニングの先生に相談した。
ボイストレーニングの先生に相談しながらメロディーが付けられた。
完成して、ボイストレーニングでも自分の作った歌を練習する。
納得する形になって
ライブ配信で自分の作った歌を発表した。
盛り上がってライブ配信にみにくる方が増えていった。
そんな時、たまたま、オーディションで受けた芸能事務所とは違う事務所にメールで誘われた。
響は母に話した。
響『自分の歌を作ってライブ配信したら芸能事務所にスカウトされたよ』
母『本当にそんな事務所あるの?』と言って調べて大丈夫そうだったので、母は連絡をした。
母『もしもし、そちらは、どういう事をされてらっしゃいますか?』
事務所の事務『こちらは、芸能事務所で歌手やタレント女優や芸人の方のマネージメントをさせて頂いております。』
母『私の娘が○アプリをしていて御社にスカウトされたと言っているのですが』
事務所の事務『少々お待ち下さい。担当の者に確認を取ります』
事務所の事務『もしもし』
母『もしもし』
事務所の事務『お母様がおっしゃられたようにスカウトされたそうです。担当の者に変わりますね』
事務所の担当の者『もしもし』
母『もしもし』
事務所の担当の者『娘さんの歌声が素晴らしかったので是非、事務所に入って頂ければと思いまして』
母『お願いします』
事務所の担当の者『では契約をしたいので都合が良い日は、ございますか?』
母『○日以外なら大丈夫です』
事務所の担当の者『では、金曜日の日の何時がよろしいですか?』
母『10時ぐらいが良いです』
事務所の担当の者『では、10時でお願いします』
金曜日の日
芸能事務所と契約をした。
響はライブ配信で詩として活動していたので
詩としてブログやTwitterを始めるように事務所に言われた。
配信の日にち時間の予告など
ライブ配信してる時の画像や写真をブログやTwitterに張った。
そうしていくうちにどんどんファンが増えていく。
ファンクラブの運営が始まった。
ファンクラブのホームページが作られ入会費なども書かれていた。
バラエティーに出演しないかと話がある。
バラエティーに出演する。
出演したら面白いと思われ
バラエティーに出演することが増えて歌手のイメージがなくなってしまった。
ファンは増えていくがアンチも増えていく。
ブログやTwitterにこころないコメントがくる。
響は酷く傷ついた。
傷つく言葉を書いたコメントは消すように設定した。
バラエティーに出演するのを控えるようになっていった。
歌をうたうのは好きなのでやめなかった。
ライブ配信をする。
そこにも心ない言葉をコメントする人がいた。
そしたら1人のファンが『なんていうことをいうんだ。出ていけ』とコメントをした。
続くようにファン達が同じコメントをだす。
『詩、大丈夫?私達がついてるから』というコメントがくる。
響(詩)は涙を流しながら、うたう。
『もう大丈夫だよ。ゆっくりして』というコメントがくる。
今日の配信を終わりにした。
響はファンのコメントに励まされ
これからも音楽活動を頑張ろうと思った。
響はシングルCDを発売することになる。
メインは響の作った歌でカップリングは他のアーティストのカバーだった。
CDを発売するとブログやTwitterやファンクラブサイトで宣伝する。
CDの特典に響の握手会をつけた。
握手会が開催された。
心配でマネージャーに連絡して母親も隠れて見に来ていた。
握手会が開催され
ファンが多く並んでくれた。
ファン『応援してます。会いたかったです。歌声が素敵でいつも励まされてます』という方も居れば
ファン『結婚してください』『付き合って下さい』というのもあった。
でもマネージャーに響は
『もしファンに『付き合って下さい』と言われたら笑って何も言わないで下さい』
マネージャーの言われた通りにした。
CDは凄く売れた。
響は実家に住んでいる。
ストーカーするファンもいた。
警察にストーカーの相談をした。
警察はストーカーに接近禁止命令を出しておさまった。
マネージャーは響に話す。
マネージャー『セキュリティシステムのあるマンションに引っ越して下さい。』
事務所は経費で事務所近くのセキュリティシステムのあるマンションを響に提供する。
マネージャーもそのマンションの隣に住んだ。
響は音楽番組の出演が決まった。
響は先輩方に挨拶にまわった。
響の衣装がビリビリにされていた。
誰かが響の事を気に入らなくて衣装をビリビリにしたのだろう。
響は他の衣装を用意してもらった。
衣装は好評だった。
きっと衣装をビリビリにした人は気にくわないだろう。
響は有名なアーティストの方に歌を作って貰ってレコーディングを出してCDを出した。
そのCDも凄く売れた。
音楽番組で男性アーティストに声をかけられる。
『可愛いね』
響『そんなことないですよ』
男性アーティスト『今度、歌手の人達で集まってパーティーするだけど来ない?』
響『行きます』
男性アーティストと連絡先を交換する。
パーティーに響は参加する。
そこで色んなアーティストさんと交流して連絡先を交換したりする。
新人の女性の歌手の方とパーティーで会い
そこから御飯を食べに行ったりカラオケ行ったり映画見たり色んな事をして遊ぶようになっていった。
男性アーティストさんとも他のアーティストさん達と一緒に御飯食べたりバーベキューしたりしていった。
響は男性アーティストさんが気になるようになる。
響はマネージャーに言われる。
マネージャー『今は響は人気歌手なの。今、熱愛記事なんか出たら、響の人気なんて終わるよ』
響はレコード大賞新人賞に選ばれる。
受賞されている時
響のバックの中が揺れる
携帯の振動だ。
でも響は授賞式に出ているため
気がつかない。
受賞式が終わり楽屋に帰る。
携帯を見ると父からのLINE電話がいっぱいあった。
父から『お母さんが病院に運ばれた早く来てくれ』とLINEが送られてきていた。
マネージャーに伝えて
タクシーを呼んで響は病院に行く。
父『お母さんは亡くなったよ』
響『なんでよ。』
泣く響。
父『お母さんは脳梗塞で亡くなった』
響は歌手活動を休止することになった。
響は母親の葬式に出席する。
自然と涙が出る。
響にとって母親は、かけがえのない存在だった。
時には厳しく優しく、遊びに連れて行ってくれたり辛い時、支えになってくれて助けてくれて守ってくれて、友達のような母親の暖かい感じもあった。
色んな出来事を思い出す。
涙が止まらなかった。
仲良くなった新人歌手の愛音(あいね)は、響の母親が亡くなったと知ってすぐに駆けつけてくれた。
一緒に葬式にも出席をしてくれた。
男性アーティストの奏風(かなた)も響の事を心配していた。
奏風は響のマンションを訪れた。
お菓子とジュースを持ってきた。
奏風と響はゲームをして遊んだ。
響はお母さんの事を思い出しては涙した。
響は、お母さんの事を思って歌詞を考えた。
『あなたと一緒に居ると楽しくて暖かい。私にとってあなたはなくてはならない存在。友達のような母のような。色んな場所に行き、遊んだね。あなたに助けられて守られていた私。あなたの事を思い出す度、私は泣くよ。あなたが書いた手紙に書いてあった。私の良いところ、あなたは友達って言ってくれたね。私は一生、忘れない。また絶対会おうね。今度は、あなたに感謝の言葉を伝えるよ』
そんな歌詞を作って曲も考えていく。
その歌は大ヒットする。
きっと母は微笑んでいるだろう。
きっと言ってるだろう『良かったね』って
今日も響は歌をうたう。
そして歌詞と歌を考える。
もうすぐ紅白もでるだろう
END
最初のコメントを投稿しよう!