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“フルーレの場合、有効面すなわち選手が着ているメタルジャケットを、電気が通っている剣の剣先で突いて、さらに攻撃権を持った方の得点になるんだけど……とりあえず電気審判機の赤か緑のランプが点灯して得点が入ったら攻撃が決まったんだって思っておけばいいよ”
(白石くん確かそう言ってたよね)
ルールはよくわからないので潤の説明を頼りに観るしかない。
スコアは2対3。僅差ではあるが潤が優位に試合を進めている様子だ。
『En garde』
残りは1分20秒。
『Prêt、Allez!』
審判の合図と共に、試合が再開した。
互いに剣先で間合いを計りながら前進と後退を繰り返し、攻撃の機会をうかがっている。
対戦相手が突きを繰りだしたが、潤の腕を突いたため電気審判機の白ランプが点灯した。
(突いたのに点数が動かない……から有効面じゃないところを突いたってことか)
残り30秒。
潤が相手の突きを剣で払い、すかさず突き返す。
『Parade、Riposte、Touche』
今度は電気審判機の赤ランプが点灯し、点数も動いた。
そして、スコア2対4のまま試合は終了。
プール戦通過ぎりぎりの順位だったが、潤は予選トーナメントに進出した。
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