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「そんなに、気負うことでもあらへんで。お前はなア……よくやった。もうええやろ?お前はまだ十五やで?そんなにしゃちほこばってもなあ……なんもできへん……でもなあ。お前には俺がついとる。俺がいる時くらいは、安心して、素直におなりや……キーチ。俺ら二人は、二人で一つ、これから、そういう関係になって行こうや。俺はなア。お前を一目見た瞬間……気に入ってしもた。ああ……この子は歯ァ食いしばって生きてきたんやなあって俺は思ってしもてなあ……まるで昔の俺や。でも俺には俺しかおらんかった。でも、お前には俺がおる。おこがましい言い方やが……お前を少しでも楽にすることが出来たら……昔の俺も報われる。そう……思ってしもたんや。なあ?俺ではあかんか?俺では役不足か?」
「うるさい……」
喜一は溢れる涙をなんとか堪えようとしたが駄目だった。俯いてしまうと、涙が次から次へとやってきて、結局は止まらない。それでも声を食いしばって泣く喜一を「ほんまに根性あるなあ」と笑いながら聡美は頭を撫でた。それから頬に口づけをしながら「でも、エッチはしような……」と小声で言うもんだから、もう笑うしかなかった。「しょうもない大人じゃ」と言うので精一杯だったが、それでいいのだ、というように聡美が頷きながら布団の上に胡坐をかいた。そして「肩に手をおいて立つんや」と言った。素直に従うと、聡美は喜一の下着を脱がしてしまい、どちらも素っ裸になると、聡美は喜一の小振りだが形のいい男性器をぱくり、と美味そうに咥えた。喜一が身じろぎしようとすると、今度は後ろの穴にも聡美の指が侵入した。今度は二本。愛液は止まらない。あきらかに何かを欲しがっているそこに、大人の太くて、節のある指が二本もずずず……と奥まで入ってしまうと、聡美に心を許してしまった喜一の体は快楽に溺れた。
「ああ……」
自分の喉から、いやらしい声が出る。それを咎める者は誰もいなかった。静かな部屋で、ぐちゅぐちゅ……と二本の指が喜一の後孔を這いずり回る音、聡美の口から、じゅぽじゅぽ……、と喜一の陰茎を咥え、愛撫している水音、そして、自分の喉から、吐息交じりの、声。
身悶える。快楽が素直に気持ちが良いと思ったのは初めてだった。
いつも、身構えていた。
自分は快楽に負けるものか、と女を抱く時も、発情期の時も。必要最低限の事しかしなかった。
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