108人が本棚に入れています
本棚に追加
怖いから。
自分も両親みたいに龍人に負けるのが嫌だから。
堪えて、堪えて……それが正しいと思っていた。
だが……。そうではない、と体が叫んでいる。男に、自分の性器を咥えられ、後孔すら、弄られている、のに。気持ちよくてたまらない。そこに安堵する気持ちが多く含まれている。
(俺が、欲しかったのは、これや……。もっと、もっと気持ちよくなりたい……)
自然に頭に、快楽への探求を欲する言葉が浮かんでしまう。しかし、それでいいと、目の前の男は言ってくれた。だから、喜一も素直になることにした。
尻の穴に聡美の指が三本、容易に入る事が出来るようになった頃、喜一は聡美に腰をくねらせてねだった。
「なあ……もう、俺はあかん……」
「なにが、あかんのや……」
「挿れてほしい……」
「入っとるやろが……俺の指を三本も咥えてからに……」
「違う……俺が欲しいんは……」
「おう、言うてみ……」
「あんたの毒キノコや……俺も……食べたい……食わせてくれ……」
「よう、言うたな。そら、お食べ」
優しい声で、聡美が誘う。【丹波の毒キノコ】はしっかりと育ちきっていた。グロテスクなその陰茎も、発情した喜一の目には、美味そうに見える。胡坐をかいた聡美が言った。
「ええか、ゆっくりと腰を落とすんや……。一番最初が、大変やからな……。どうや、出来るか」
「うん……出来る……」
「ええ子やの……」
喜一を褒めながら聡美は喜一の手を、自分の肩に回すように言った。その指示通りに従いながら、ゆっくりと喜一は腰を下ろす。だんだんと、立っているのがきつくなる。このままどすん、と座ってしまいたい。そう思いながら腰を低くしていくと、尻の穴に、ぷちゅん……と柔らかい物が当たった。
「そら……頬張りや……」
聡美がからかう。うるさい、と言いながらも喜一は腰を落とす。ぐぐぐ……、とその柔らかな物は弾力性があるものの、なかなか喜一の中に入ってはくれなかった。何度かいきみながら努力するが、駄目だった。
「あかん」
「あかんことないがな」
「そやけど入らへん」
「入る、入る……もっと、勢いつけて……腰を落とすんや」
そう言って聡美がいきなり、喜一の背中に手を回し、勢いよく下へズン、と喜一の体を押しやった。
その途端に、めりめり……と異物が喜一の中に入り込んだ。随分大きな異物が喜一の中に押し込まれると、今度は真っ直ぐだが固い何かがずろろろ……と喜一の中に侵入した。
「あああ」
「おっ、偉いなあ、キーチ。亀頭をすぐ飲み込んで……竿まで美味そうに食ってくれたなあ。なかなかの、ケツマンコじゃの」
「うるさ……いわ……!」
「ほうか……ほな、動いてもええんか。ほら、ゆさゆさ……、ゆさゆさ……」
「あっ、あっ……あかん……腹の中がえぐられる……変な気分や……」
「変なだけか……?」
「……違う」
「なんや、言うてみい」
「……気持ちええ……」
「ほうか……。そうならもうちょっと動かしてええかなあ……」
「ちぃっと、だけじゃ」
「ほな、これくらいかの!」
そう言って下から、ズン、ズン、と聡美が腰を打ち付けてくる。「あほぉ……」と叫びながらも喜一の体は快楽を捕まえていた。ああ……これや……と思った瞬間に天地がひっくり返り、聡美は喜一を煎餅布団の上に押し倒した。それから星が入った瞳を糸のように薄ーく伸ばして、笑った。
「昇天させたる」
「やめろ、なにをする気や」
「この世の、極楽やで、キーチ!」
最初のコメントを投稿しよう!