青年編

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怖いから。 自分も両親みたいに龍人に負けるのが嫌だから。 堪えて、堪えて……それが正しいと思っていた。 だが……。そうではない、と体が叫んでいる。男に、自分の性器を咥えられ、後孔すら、弄られている、のに。気持ちよくてたまらない。そこに安堵する気持ちが多く含まれている。 (俺が、欲しかったのは、これや……。もっと、もっと気持ちよくなりたい……) 自然に頭に、快楽への探求を欲する言葉が浮かんでしまう。しかし、それでいいと、目の前の男は言ってくれた。だから、喜一も素直になることにした。 尻の穴に聡美の指が三本、容易に入る事が出来るようになった頃、喜一は聡美に腰をくねらせてねだった。 「なあ……もう、俺はあかん……」 「なにが、あかんのや……」 「挿れてほしい……」 「入っとるやろが……俺の指を三本も咥えてからに……」 「違う……俺が欲しいんは……」 「おう、言うてみ……」 「あんたの毒キノコや……俺も……食べたい……食わせてくれ……」 「よう、言うたな。そら、お食べ」 優しい声で、聡美が誘う。【丹波の毒キノコ】はしっかりと育ちきっていた。グロテスクなその陰茎も、発情した喜一の目には、美味そうに見える。胡坐をかいた聡美が言った。 「ええか、ゆっくりと腰を落とすんや……。一番最初が、大変やからな……。どうや、出来るか」 「うん……出来る……」 「ええ子やの……」 喜一を褒めながら聡美は喜一の手を、自分の肩に回すように言った。その指示通りに従いながら、ゆっくりと喜一は腰を下ろす。だんだんと、立っているのがきつくなる。このままどすん、と座ってしまいたい。そう思いながら腰を低くしていくと、尻の穴に、ぷちゅん……と柔らかい物が当たった。 「そら……頬張りや……」 聡美がからかう。うるさい、と言いながらも喜一は腰を落とす。ぐぐぐ……、とその柔らかな物は弾力性があるものの、なかなか喜一の中に入ってはくれなかった。何度かいきみながら努力するが、駄目だった。 「あかん」 「あかんことないがな」 「そやけど入らへん」 「入る、入る……もっと、勢いつけて……腰を落とすんや」 そう言って聡美がいきなり、喜一の背中に手を回し、勢いよく下へズン、と喜一の体を押しやった。 その途端に、めりめり……と異物が喜一の中に入り込んだ。随分大きな異物が喜一の中に押し込まれると、今度は真っ直ぐだが固い何かがずろろろ……と喜一の中に侵入した。 「あああ」 「おっ、偉いなあ、キーチ。亀頭をすぐ飲み込んで……竿まで美味そうに食ってくれたなあ。なかなかの、ケツマンコじゃの」 「うるさ……いわ……!」 「ほうか……ほな、動いてもええんか。ほら、ゆさゆさ……、ゆさゆさ……」 「あっ、あっ……あかん……腹の中がえぐられる……変な気分や……」 「変なだけか……?」 「……違う」 「なんや、言うてみい」 「……気持ちええ……」 「ほうか……。そうならもうちょっと動かしてええかなあ……」 「ちぃっと、だけじゃ」 「ほな、これくらいかの!」 そう言って下から、ズン、ズン、と聡美が腰を打ち付けてくる。「あほぉ……」と叫びながらも喜一の体は快楽を捕まえていた。ああ……これや……と思った瞬間に天地がひっくり返り、聡美は喜一を煎餅布団の上に押し倒した。それから星が入った瞳を糸のように薄ーく伸ばして、笑った。 「昇天させたる」 「やめろ、なにをする気や」 「この世の、極楽やで、キーチ!」
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