15人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ~、ほんとコキ使いますね~。僕はかっこいい亮二さんの勇姿を見に来ただけなのに。おっさんの服を破く破目になるとは…」
ぶつぶつ言いつつも躊躇なく服を破いていくわんこ。今回暴れるところはないからと、そこまで破かなくてもというくらいにボロボロに破いている。
「やめろ!やめてくれ!写真てなん、なに!うっ、んぐっ」
「うるさいなぁ、この赤いボール咥えてて下さい。どうぞ。ほら、お似合いですよ」
一方、隣ではイチャつく2人。
「俊~、入る前の続きしてよ、頑張ってキモイのと喋ってたんだから、消毒!ご褒美!」
「ん。まだ仕事中だから少しね」
少し伸びをして、俊の頭を抱えてキスする亮二。
「亮ちゃん、終わり」
「やだ、もっとする~」
「だめだよ。これ以上したら、どんどん可愛くなるんだから、他の奴になんか見せたくないから」
「ん~、俊がそう言うなら~、帰ってからね!」
「もしもーし、亮二さん、俊さん、縛りかたこんなでいいですか~?」
赤いボールギャグを嵌めた口元にほぼ全裸の長谷川。なぜか裸の上半身にネクタイだけはつけてある。後ろ手に縛られてるから体を隠す術がない。
「オッケー。変態っぽくていいんじゃない。しかも勃ってるし。可愛い亮ちゃんがキスしてるのみて勃っちゃったの?蹴られたのに。ほんとに変態じゃん。ちょうどいいや、喜んでるように見えるよ」
スマホを取り出しカシャ、カシャ。あらゆる角度から顔が分かるように撮る。
「よし、このぐらいでいっか。祐二さん、画像送るよ。よろしく」
「んんー、んんー、」
「どうするんだって?あんたの会社に送るに決まってんだろ。わんこ、財布から名刺見つけただろ?」
「もちろんですよ、はい」
「○○商事の長谷川さん、ね。社会的に抹殺しろって話だからさ」
端正な顔立ちで冷たく嗤う俊の表情にゾクゾクする亮二。
「こちら祐二。データは会社に送ったぞ。VIPルームの方は裏口あるだろ。一応そっちから出てこい」
「了解。じゃぁね、おっさん、また悪さしてもいいけどさ、オレらの顔は忘れなよ、データは何ヵ所かに保存しておくから取り返そうとしても無駄だよ」
「俊?むかつくから最後に顔も殴っていいでしょ?」
「亮ちゃんの可愛い手が穢れるからダメだよ。帰るよ、わんこも行くぞ」
「ふふっ、…俊、好きだよ」
俊に腕を絡ませ、もたれ掛かるようにしながら裏口に向かう亮二。
「はい、では、ターゲットさん、さようなら」
最後まで長谷川の飾り付けを楽しんでいたわんこも続く。
3人が裏口から出ると、車で待ち構えてた祐二が車を店の横につけた。
「帰るぞ。乗れ」
助手席に乗り込むわんこ。後部座席には、くっついたままの俊と亮二。
「お疲れさん。帰って飲み直すか」
「賛成ですね」
「少しだけだからね~。ぼくはその後俊とお楽しみだから~」
「分かってるよ」
「オレはコーラね」
「もちろん冷蔵庫に入ってる。つーか俊が飲めないから自分で入れといたんだろ」
「へへっ」
ネオンが明るく、眠らないこの街。
4人が乗った車は他の車に混ざるように国道に合流して姿を消していくのだった。
ep1 end
最初のコメントを投稿しよう!