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亮二は口ではそうだねとか言いつつ、今回の仕事チョロそうで面白くね~やり甲斐ね~と思ってそうなのがバレバレだ。
最近暴れたりないのだろう、やり過ぎなきゃいいんだけどな…。
「じゃぁ、いつも通りメインで動くのは亮二。俊は亮二のサポートな(亮二が殺しだけはやらねぇように止めろよ)」
「分かってるよ裕司さん」
俊が答えたその時、入り口の鍵をガチャガチャと動かす音が聞こえ、扉が開いた。
「あ~あ~、無用心ですよ。怪しい会議開いてるんでしょうに」
「お前が勝手に鍵開けて入ってくるんだろうが」
こいつは近所の大学に通う小山崇。確か祖父が鍵を開ける仕事をやっていて、小さい頃のおもちゃは鍵だったとか言ってる胡散臭いが一見普通の爽やか大学生。
黒髪さらさらなのも好感度が高く、185センチはある長身で本人いわく大学ではモテるらしい。あくまでも本人談だ。
しかし、ただの爽やか大学生がこんな所にわざわざ鍵を開けて入り浸るわけないから、何かしら抱えている、裏があると思って俺は信用していない。
が、俺の心配も何のその、そこのバカップルは親戚の子供のように可愛がっている。
「あっ、わんこ、また来たね〜。可愛いなぁ。また勝手に鍵開けて~。ダメだよぉ、危ない事に首突っ込んじゃ」
「お兄さん達は危ない事してもいいんですか?」
「俺らはこんな生き方しか出来ないの。崇はちゃんといいとこの大学通ってんだから普通の生活しとけよ。卒業に向けて勉強して、普通に就職活動して…」
「僕、お兄さん達が心配なだけなのに……」
崇はわざとらしい泣き真似をする。そんなもん誰が騙されるんだか。
「俊、言い過ぎだよ!わんこは心配してくれてるだけなんだよね。うん、優しい子だもんなぁ。でも土曜は危ないからついてきちゃダメだよ」
騙されたんだか崇に甘いだけだか知らんが、亮二がうっかり曜日をバラした。
「はい、土曜ですね、分かりました!」
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