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21歳の、可愛らしい爽やか好青年とはいえ、この中で一番ガタイのいい奴の泣き真似はどうかと思うぞ。
そんなのに曜日を教えてしまう亮二も亮二だ。何かと秘密にしなきゃならない事の多い仕事なのに、不安だ。
崇に仲間意識を持ってしまってるせいだろうか。
「亮二、こいつ多分心配じゃなくて面白がってるだけだから」
「も~、祐司さんまでそんな事言うんですか。崇は心配してくれてる良い子なんですよ」
ね~、とか向かい合ってニコニコしてる腹に一物ありそうな2人。
可愛い顔して両方食えねぇなぁ。なんで俊はこれと付き合ってんだ…。
「今日も俺の亮ちゃんは天使だな」
…恋は盲目ってことらしい。
「ほれ、通信はこれな。俊、逐一報告しろよ。まぁ気楽にいつも通りにな」
二人に無線を渡していると手を出してきた三人目。
「僕には?」
「はっ?!」
「僕はどうすればいいですかね?役割分担は?」
「ガキは勉強してクソして寝とけ」
「そんな~~、じゃぁ、亮二さんと俊さんの護衛って事で、陰から見守ってますね」
全く、いつも自分で勝手に役割を見つけて側にいる癖に俺にどうすればいいですか?とかわざわざ聞いてこないでほしい。
こちらは学生を、おまえを巻き込みたくはないのだ。
そう考えてるのに毎度毎度鍵開けて入ってくるのはこいつで。あー、くそ、頭が痛くなってくる。
「崇。自分の身は自分で守れよ。くれぐれも邪魔だけはするな」
まぁ、崇が腕っぷしが強いことは分かってはいるが遠足気分でいられたら困るので釘をさしておく。
「解散。土曜な。ターゲットXの顔はしっかり覚えてくること。復讐のやり方はおまかせということだ。殺さないように、社会的抹殺、な。今の会社にいられなくなる程度でいいと思うぞ」
「はーい、セクシー担当亮二くんがんばりまっす」
変なポーズ決めやがって……。こいつはふざけてないと自分が殺しかねないと分かってるから、たまに変な事やってるんだろうな…。
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