悪魔の書

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「……」  先生はしばらくして、授業の終わりを告げた。  ぼくと白花は屋上へ向かうため東階段を登った。  屋上の手前の扉が何故か開かなかった。  鍵はかかっていないのに……。  どんなに力を入れてもノブが回らない。  急に大雨の音が激しくなった気がした。 「チッ。凛を連れてくれば良かったな……」 「そうね……」 「はいハーイ。私の出番っかなー」  後ろを振り向くと、弥生と敦。そして、凛がしっかりとついてきていた……。  凛が知恵の書で、屋上に続く扉をやすやすと開けた。 「俺もぶっ壊せれば、簡単に開けられるんだがな……」 「壊したら、先生に怒られる……」  ぼくが珍しくツッコミを入れると、白花は笑った。    当然だが、屋上には誰もいなかった。  はずだった……。  屋上の端に二人の男女がいた。
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