12人が本棚に入れています
本棚に追加
「……」
先生はしばらくして、授業の終わりを告げた。
ぼくと白花は屋上へ向かうため東階段を登った。
屋上の手前の扉が何故か開かなかった。
鍵はかかっていないのに……。
どんなに力を入れてもノブが回らない。
急に大雨の音が激しくなった気がした。
「チッ。凛を連れてくれば良かったな……」
「そうね……」
「はいハーイ。私の出番っかなー」
後ろを振り向くと、弥生と敦。そして、凛がしっかりとついてきていた……。
凛が知恵の書で、屋上に続く扉をやすやすと開けた。
「俺もぶっ壊せれば、簡単に開けられるんだがな……」
「壊したら、先生に怒られる……」
ぼくが珍しくツッコミを入れると、白花は笑った。
当然だが、屋上には誰もいなかった。
はずだった……。
屋上の端に二人の男女がいた。
最初のコメントを投稿しよう!