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「ククッ……。どうやら、君は気付いたんだね? 私が前代未聞の学園集団飛び降り自殺をさせようとしたことを……。まあ、その生徒の中に君たちがいないんじゃ意味がないけどね」
教師はそう言うと、ナイフを……周りの倒れている生徒たちに向ける。
「元々、殺す気だったんだ。だから、すぐに降伏して私の魔術の餌食になりなさい……。さあ!」
「チッ! 違う! 最初に気付いたのは白花だ! だから、屋上へ行こうと言ったんだ!」
「……?」
「零! 待ってろー!!」
敦がぼくの脇から駆け出した。
ぼくのいる階段から倒れた生徒だけを、敦は階段の手摺を破壊して軽々と下へ蹴り飛ばした。靖も逃げると同時に、ぼくに親指を立てて合図をした。
下へ落ちた生徒たちが可哀想だ……。
だが、すぐに白花の奴隷の書で癒してしまえばいいんだ!
ぼくはすぐさま大量の生体電流を階段に放出した。大気中に生体電流をばらまいていたので、あらかじめ空気摩擦を起こしていた。屋上では轟雷が発生し、空が不安定な低気圧になった。そして、雷を今立っている階段に落とした。
「痺れろーーー!」
教師ごとぼくは感電する。
辺りは凄まじい光に包まれた。
強力な魔法障壁でぼくは平気だったが……。
そう、ぼくはすでに雷撃の準備をしていたんだ。元凶が階段から来ることを知っていたからだ。
白花の推理はきっとこうだろう。
元凶は、飛び降り自殺をさせようとしている。だから。本人は屋上の階段に隠れているか。屋上にはいないはずだと……。
悲鳴を上げて真っ黒な煙を発する教師の顔に見る見る模様が出て来た。
マレフィキウム古代図書館の魔術師の顔についていた模様だ!
それも見たこともない最高位魔術師の模様だった……。
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