Die T

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 最近、私は体重計に乗るのが嫌じゃなくなった。  だって、少しずつだけど数字が減ってくんだもん。ごはんもお菓子もだいぶ我慢してるしね。ダイエット効果、出てるんだ!  お母さんは「陶子、ちゃんと食べなさい! ダイエットなんて身体によくないわ」って怒ってばっかり。 「今のままで十分じゃない。全然太ってなんかいないでしょう」  そんないい加減なこと言わないでよ!  なんで親ってあんなうるさいの? 娘がスタイルよく可愛くなるのが気に入らないわけ? 意味わかんない。  学校帰り。  前は由加里と一緒だったけど、もうずっとひとりなんだ。友達の応援できない子なんて要らない。由加里なんてどうでもいいよ。  時間的に、学校から駅まではちょうど太陽を背にして歩くことになる。  目の前に影が伸びて行く。細長い、筈なのに。細くない!  もっともっと、体重減らさなきゃ。痩せなくちゃ。  私は少し骨の浮いた腕を見た。  ──まだ、肉がついてる。まだ、まだ……。                             ~END~
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