108人が本棚に入れています
本棚に追加
〜羽田空港管制室〜
「バンッ❗️」
プラントの映像を見ていた松川が、デスクを拳で叩いた。
「なんで爆発しない❗️」
通信機を掴む。
「平泉結女、なぜだ❗️」
「死にそうな女が、油管の弁を閉じたから」
「ロックを解除し、遠隔操作で今すぐ開け❗️」
「もう無理よ。岸から離れたから」
OIL ARK 号は、ステルスモードで、誘爆を避けて岸壁から離れていた。
「裏切るのか⁉️」
「裏切る…何を?私はアンタのイかれた殺人には、一切手を貸してないわ。貸す気もないし」
「両親を殺された怨みはどうした!」
「真実は全て聞いたし、ご丁寧に証拠の資料まで送って貰ったわ、月島って人に。そうねぇ…恨むとしたら…松川里美、あなたよ❗️」
会話は全て、PCから月島へ繋いでいた。
「平泉結女さん…あなたがあのサイトの、Y.H.さんね」
イン回数が一番少なかった人物である。
「松川さん、そこから逃げられはしないわ。これ以上、人の命を奪うのはやめて下さい!」
「月島風花…だったかな?あの暗殺者、箔・博凛の妹だとか…」
「何ですって⁉️」
月島は、会話を通信機に繋いでいた。
「おや?その声は、鳳来咲か。まさか、前警視総監を殺した博凛を、味方に取り込んでるとはね」
「あんた何言ってんのか全っ然、分かんないんだけど。今行くから黙って待ってろ❗️」
新咲凛が、顔を変えた博凛であることを知らない咲。
管制塔のエレベーターが降りて来た。
(愉悦…罠!)
管制室に集中していた紗夜。
「淳、咲さん伏せて、爆弾が❗️」
エレベーターのドアが開いた瞬間。
「ヅドーン💥❗️」
タイムセットした爆弾が爆発した。
かろうじて直撃はかわした3人。
しかし、先頭にいた淳一は、2人を庇って背中を負傷していた。
「淳⁉️」
「大丈夫だ、痛てて…無茶苦茶やりやがるぜ」
「紗夜、救急車を呼んでここにいて。私が階段で上がるわ❗️」
「咲さん、待て❗️…116mは無理だろ💦」
数字を聞いて思い出した咲。
「えっと…何段くらいかな💧」
「それに…階段にも恐らく罠があるはず」
「罠?また爆弾とか?…じゃあ無理ね!」
罠を口実に、諦めた咲。
その頃。
エレベーターを中心に、円盤形の管制室。
松川達のいるエリアの逆側へ、翼を畳んだラブのヘリが突っ込んだ。
「ヅガガーン💥ギャギャッシャン❗️」
直ぐに飛び降り、身を隠す。
「ラブです。今管制室へ着きました」
「着きましたって…どうやって⁉️」
驚く咲達の建物の屋根に、バラバラとその残骸が降って来た。
「ヘリで突っ込んだ様です」
「紗夜、マジで⁉️」
「無茶苦茶は、敵に負けてねぇな💦」
月島から専用通信が入る。
「皆さん大丈夫ですか?月島です。草吹さんは新咲さんが救出し、TERRAで処置を始めた様です」
「風花さん、色々とありがとうございます。全く関係ない学生さんなのに、こんな事件に巻き込んでしまって…」
「月島さん、咲よ。正直なところ、あなたがいてくれて助かったわ」
「いえ、とんでもないです。後はラブさんなら、何とかしてくれるはずです!」
他にどうしようもないのが、事実であった。
最初のコメントを投稿しよう!