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昴のまとめに、羽戸山大臣の名が追加された。
調べると、確かに27歳の息子がいることが判明し、夢川翔である可能性が見えてきた。
「ところで、今日の事故だけど…」
「ありゃあ事故なんかじゃない」
咲の言葉を遮って、瓦礫を並べながら豊川が断言した。
「確かに。この爆炎の規模は、普通じゃないし、明らかに異常ね」
草吹も、投稿動画を見ながら呟いた。
「霞はアメリカで、数々のテロ対策に従事してたプロです」
「ラブ、ハッキリ言っていいわ。私はCIAテロ対策部隊にいたの。もうやめたけどね〜。この爆炎からすると、前回並みのガソリンね」
「し…CIA⁉️」
昴が映像をもう一度再生する。
爆発と同時に、上の道路が膨らんで吹き飛ぶ。
トンネル状の出入口からは、高圧力の爆炎が吹き出し、数十台の車を吹き飛ばしていく。
「この時、あっと言う間に、フォロワー数が1億を超えました。異常な速さです」
「つまり…そのフォロワー達は、これが起こることを、知っていたのではないでしょうか?」
「なるほど…予告かぁ。さすが土屋さん!闇サイトを探ってみます」
「昴さん、ついでに右上の2つの映像を、メインに切り替えてくれますか」
ラブが何かに気付いた。
一般道を潜る、高速の入り口と出口に設置されているカメラである。
モニターを2分割し、映像を流す昴。
引越し便の大型トラックが入る。
「止めて❗️」
「あのバイク…」
片手運転に、草吹も気付いた。
昴が拡大する。
「やはり、何かを持ってるわね。回して」
「バイクが出た直後に爆発。バイクは両手でグリップを。ラブ、アイツが爆弾を!」
「間違いないわ。タイミング的に見て、爆発源はあの引越し便のトラック」
「何を積んでたってんだ?」
「昴、引越し便の依頼者を調べて!」
「何だこりゃ?」
戸澤がスマホを見ながら呟く。
「何、戸澤?」
咲の問いに、スマホをテーブルに置く。
「あの見えない高速の壁に…これが」
「翼のマークか?」
豊川が立ち上がった。
そこへ富士本が戻って来る。
「何をやってるんだ、豊川さん?」
皆んなも入り口へ集まる。
「翼の…マーク⁉️」
組み合わされた瓦礫には、ネット投稿されたマークが描かれていた。
「どこかで…見た様な?」
「富士本さん。こいつは、5年前の事故だ」
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