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〜TERRA地下本部〜
草吹霞とラブの片腕T2が、マザーシステムAIを利用して、闇の動画配信元を探っていた。
「凄いわね〜アイって。世界中のシステムに進入可能じゃない」
「ありがとうございます、桐谷美月様」
「アイ、今は草吹霞さんよ」
「懐かしい名前ね。桐谷美月は、9.11で死んだわ。つまり…CIAを辞めた理由も知ってるってことね、ラブ?」
「念のために」
「そんなに悲しい顔しないでよ。辞められてホッとしてんだから」
そこへ、マネージャーの新咲凛が入って来た。
「ラブ、ハリウッドへ向かう時間よ。あら、新人さん?」
瞬時に、厳しい視線がぶつかり合う。
「どこかで…会ったかしら?」
「いいえ、誰かの間違いじゃない?私にCIAの知り合いはいないわ。ラブ、遅れないでよ!」
直ぐに出て行く凛。
「なるほど…ね」
「ま、まぁ💦霞、気にしないで、私は出かけるから、これ渡しとくわ」
カードを渡すラブ。
「部屋は62階、ビル内のジムや飲食店、医療機関まで、それを自由に使って」
「サンキュ、ラブ。ところで、例の『スカイダイバー』だけど、配信が始まった頃からの共通サーバから、おそらく本拠地はここね」
「西麻布?」
「半分勘だけどね。この角にある麻布ビルの8階にある、Dream System Serviceって会社が怪しいわ」
「さすがね。アイ、咲さんに送って。じゃあ私は行くわ。その調子でGuardもお願い」
「任せといて!」
(霞…)
その背中を、寂し気な瞳で見つめるラブ。
(ラブ様、霞様はお任せください)
それを知っているアイが告げた。
〜警視庁対策本部〜
「全員聞いて、霞さんが夢川翔の会社を見つけたわ。昴が携帯へ送るから、手が空いたら向かって」
「咲、俺にも頼むぜ」
「神⁉️どうして?」
「余ってたから、一つ借りて来た。便利なもんだな」
通信機を耳に付けていた。
「んもう〜昴、送って」
「ハイハイ」
携帯に送られて来た地図を見る。
「近いな。原田、ここへ迎え!」
真っ赤なベンツが現地へ向かった。
〜東大病院〜
医学部に入ると、常盤莉里から連絡をもらった、中川さゆりが待っていた。
「こっちこっち」
手招きされ、誰もいない教室へ入る。
「莉里から聞いたわ。ホントは言っちゃいけないんだけど…刑事さんなら仕方ないか」
話したいオーラが、淳一でも分かった。
「あの夜、丁度私は夜勤当番で…なかなかいないのよね〜夜勤やりたがる学生って。だから、私は皆んなの代わりに、引き受けてるのよ。点数稼ぎじゃないわよ、患者さんのために…」
「凄いわね〜立派❗️で、運ばれて来た人は今どこに?」
強引に話を切る紗夜💧
「あっ、そうだった。頭や脚や肩に怪我してて、何故か脳神経外科の松平先生がもう居て、直ぐにオペ室へ。なんかヒラヒラした変な服着てたわ。今は、15階のVIPルームよ。かなり偉い人の息子さんね」
「ありがとうございます。たすかります」
まだ何か言いたそうな彼女を振り切り、エレベーターへと向かう。
丁度、最上階の15階から、エレベーターが降り始めたところであった。
「咲さん、もうすぐ夢川翔…いえ、羽戸山翅早の病室へ着きます」
「了解」
エレベーターが開く。
車椅子でマスクをした女性が乗っていた。
ドアを止め、道を開ける2人。
うつむいたまま、軽く頭を下げた彼女。
ドアが閉まる。
(フッ…)
(…何?)
何か違和感を感じながらも15階に着いた。
フロアに集中する紗夜。
「15階には1人しかいないわ。3つ目の部屋よ…えっ1人?」
(やられた⁉️)
部屋の前にバッグが置かれていた。
「淳、伏せて❗️」
「ドドドーン💥💥❗️
「紗夜っ⁉️」
咄嗟に紗夜を庇って倒れ込む淳一。
爆炎が、部屋の中へ向かって吹き出し、全てを燃やしながら、裏側へと突き抜けた。
「クソッ!さっきの彼女よ❗️」
「大丈夫か紗夜。さっきのって車椅子のか?」
「ええ、車椅子じゃ、この15階のボタンには届かない。だから、呼べるわけないのよッ!」
その時、神の声が通信機から聞こえた。
「今、例のビルの前を通り過ぎた…あん?原田、ありゃあ」
首都高速3号渋谷線の高架をくぐる。
「なんてこった❗️首都高の高架の壁に、あのマークがあるぜ❗️」
「なんですって⁉️」
「しかし…狙うにしては、車通りがほとんどねぇが…」
高架を抜けて、ベンツを停めた。
そして…
「こちら警視庁交通課、そちらへ向かう不審な暴走バイクを追跡中❗️」
「何?」
窓を開ける神。
沢山のサイレンの音が近付いて来る。
「咲、止めろ❗️罠だ❗️」
その瞬間、バイクが神の目の前を過ぎた。
「原田ぁー追え❗️」
「ギュルギュルギュル!」
白煙を上げて、発車するベンツ。
その後ろで…
「ヅドドドーン💥💥ヅガーン💥❗️」
ビルの1階から強烈な爆炎が噴き出し、通りかかったパトカーの群れを吹き飛ばした。
足元を砕かれたビルが、交差点の高速高架へと倒れて行く。
「キキキキキキー❗️」
「ヅガッシャーン❗️」
高速をビルが押し潰し、次々衝突して行く車。
追っていた十数台のパトカーも全滅した。
「クッソーッ❗️」「ダンッ💢」
咲の怒りの拳が、テーブルを叩きつける。
「情報が…漏れてる」
その昴の呟きに、霞が応えた。
「今回の情報発信元が特定できたわ。千代田区霞が関2丁目1番1号…警視庁本部ビルよ❗️」
「なんだって⁉️」
叫ぶ皆んな。
富士本が直ぐに連絡をとる。
「警視庁本部ビルから、情報漏洩。直ちにビルを封鎖してください❗️」
その僅か数秒前。
1台の車が、ビルから出ていった。
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