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〜令和島〜
プラントから流れ出した原油が、炎と共にシェルターの上へ迫っていた。
元々、定員を軽くオーバーしている。
長くは酸素が保たない。
「紗夜、これってヤバくないか?」
救急車に乗る間際、スマホを見せる淳一。
「隙間は無いし、熱には耐えるはずだけど…」
完全閉鎖すると、酸素が問題であることは、紗夜にも分かった。
〜シェルター内〜
モニターで状況を見ていたが、脱出する機を逸していた。
「クソッ、耐えるしかないが…」
この人数では、酸素が長くは持たない事が分かっている船越。
絶望したその時。
「皆んなちょっと待ってて下さい」
ネットから、平泉が告げた。
姿を現したOIL ARK 号。
甲板に設置された強力な放水銃が、炎をシェルターの上から押し返して行く。
「お待たせ。今のうちに出て、タンカーの甲板に乗って下さい」
「皆んな、急いで出るんだ❗️」
ハッチを開け、出てくる皆んな。
脚を撃たれて、動けない羽戸山を、数人が担いで運ぶ。
「すまない…皆んなありがとう」
「当然のことです、気にしないで下さい」
OIL ARK 号は、岩壁ギリギリに着けていた。
広い甲板に乗り移る皆んな。
「ふぅ…間に合って良かった」
ホッとする平泉。
「平泉さんありがとう。助かった」
「どいたま💦」
あまり感謝されたことのない結女。
照れていた。
皆んなが乗ったのを確かめ、岸から離れる。
(トーイ・ラブ…か。私も、信じてみるかな)
久しぶりに、心から微笑んだ。
数々の事故で世を去った
全ての命に
冥福あれ。
〜Influencer 忌 〜 完結。
✨心譜✨
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