【1】Moment 〜瞬〜

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〜事故現場〜 大量のガソリンが、巻き込まれた車に引火し、地獄絵図となっていた。 消防隊が各署から集まり、懸命な消火と救助活動が続いている。 外壁が破れ、崩れた首都高。 その下で、脱線した電車車両が散乱している。 更にその下では、信号待ちしていた20台程の車が埋もれていた。 通過しようとした高級車を、淳一が停める。 運転席の窓が半分開いた。 「すみませんが、あちらへ迂回してください」 「全く…急げ!」 広い後部座席からの呟き。 車が切り返し、迂回路へ向かう。 「昴、調べてくれ…」 車のナンバーを告げる淳一。 (この惨状を前にそれか?) 紗夜は炎を避けて、瓦礫に埋まった生存者を捜索していた。 に集中する。 「こっちです。ここに生存者が」 車はない場所を指し示す紗夜。 若い警官が3人で瓦礫をどかす。 「誰かいますか?いたら返事を!」 返事はない。 「早く❗️私は救急隊を呼んできます」 駆けていく紗夜。 半信半疑でペースを上げる警官達。 すると… 「誰かいます❗️」 更に瓦礫をどかすと、腕が見え、触れると指が動いた。 「生きてる…急げ❗️」 救急隊が担架を持って来た時には、上半身が現れていた。 直ぐに処置にあたる隊員。 「聞こえたら手を握って下さい」 隊員の手を、グッと握る被害者。 「20代男性、頭部に外傷。意識あり、脈拍弱く…腹部内出血の恐れあり」 「了解、新宿メディカルセンターへ搬送してください」 警官も手伝い、担架に乗せる。 「ありがとうございます」 礼を言い、運んで行く隊員。 「本当にいましたね」 「ああ…紗夜刑事の噂は本当なんだ」 「こっちです、早く来て❗️」 別の生存者を見つけ、紗夜が叫ぶ。 「今行きます❗️」 疑念がなくなり、急ぐ警官達。 その時、また微かな命を感じた紗夜。 炎🔥が近い場所で、埋まっている車へ走る。 「危険です❗️」 消防士が紗夜を止めた。 「でも、まだ生存者が!」 焦る紗夜の目の前。 「ドドーン💥❗️」 引火した車が爆発した。 隊員が紗夜を(かば)う。 「ガンッ❗️」 飛んで来た瓦礫がヘルメットに当たる。 「大丈夫ですか?」 「ええ…ありがとうございます、貴方は?」 (異常な意識を感じた紗夜) 「大丈夫…で…す」 言い終えると同時に、意識を無くす彼。 背中に瓦礫の中にあった鉄棒が刺さっていた。 「誰かー❗️」 抱きとめて叫ぶ紗夜。 (誰か…) 誘発する爆発に、難航する消化と救助活動。 呆然とする紗夜の腕の中。 彼の重みが増した…。
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