第一章

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妹は死んだ。お母さんのお腹の中で…… 僕のせいで。 僕が栄養を取ったから。 僕が殺した。 お母さんは僕を産んだ直後に体を壊して意識不明の重体。今はもう回復してるけど、身体の半身が麻痺して自由に動かせなくなった。赤ちゃんを産めなくなったんだ。 お父さんは、欲しかった可愛い女の子を殺して大好きな妻の身体までも壊した僕を恨んだ。もう自分達夫婦のもとに来る赤ちゃんは居なくて、忌々しい子供だけが残ったお父さんは僕にこう言った。 「忌み子」 「お前なんか生まれなければよかった」 小さい時から生きている事を否定されてきた僕は、愛を知らない。 でも13歳になったばかりの僕は、賑わった繁華街の路地裏にある小さなバーで、ここ、稲荷学園の理事長に会ったんだ。
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