ラブソングを君に

王子様現れる

そんな訳で、私が学生課に通い続けるものだから、理亜はもちろん、学部やサークルの友達にもこの無謀な片思いはバレて、「よくやるねー。」「もっと身近な人の方がいいじゃん。」と呆れられているのは、言うまでもない。

「みお姉（ミオネエ）って少女漫画が大好きだもんね。」

「運命の出会いとか信じてるんだもんなぁ……。」

「いい！男と女なんて決して綺麗事だけじゃすまないのよ！」

なんて、友達に言われまくっても、気持ちが変わることもなく。そう、私は少女漫画に出てくる男の子みたいなのに、ずっと憧れている。と言うか、きっとどこかに存在すると思っている。

事情により高校を中退したからかもしれない。恋愛は中学校の時の好きな人で止まっている。告白することもなく、ただ見ているだけでドキドキして、それが幸せって感じで。

ちなみに、学部やサークルでは、私が2歳上だと言うことは伝えている。隠しても仕方のないことだから。でも……どうしてそうなのかと言う話はしたことがない。偏差値の高い大学で行きたい学部があり、二浪したと言うことになっている。ここの大学でも、一浪して入っている子は結構いるので、深く突っ込まれたこともないが、年上という扱いは拭いきれず、理亜以外には「みお姉」と呼ばれている。

三姉妹の末っ子だったから、「姉」と呼ばれることは、新鮮で楽しんでいるところもある。敬語は話されることはないし、友達って思ってもくれている。