4人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、オレは今日も本部に呼ばれている。9時半に来るように言われていたから準備していると、平凛も一緒に行くと言い出した。
学校には既に休む連絡を入れたという。仕方のないヤツだな…。(と思いつつ、内心嬉しかったが…)
時間通りに本部に着き、昨日の部署に入ろうとしたところ、受付の人だろうか、走ってきて、
「岡野様、お待ちください!」
と言われ、オレはその部屋に入るのを止められた。すると部屋の中から大きな声が聞こえている。
「こんなことを考えたのは誰なんだ!」
「警務部長、申し訳ございません。全ては私の責任です」
というような内容だった。(ン?警務部長?どういうことだろ?)
「今後、こんなことがあったら許さんからな…」
出入口のドアを開けながら警務部長がそう言いながら出てきた。お付きの3名もすぐ後に続いた。
平凛は、その者たちと入れ替えに、するりとドアを入って行った…。
と、すぐに声が聞こえてきた。
「ここの責任者はどなたなんですか!?隠れてないで出てきなさい!」
平凛がこんなに大声を出すのを初めて聞いた。
「君は何なんだ?うちに何か用か?」
「私は岡野の妻です。責任者を出して下さい!」
と平凛らしくきっぱりと言った。
オレは受付の人の制止をなんとか振り切り、部屋に入ろうとすると、後ろのエレベーターの扉が開き、スーツ姿の者達に囲まれて、見るからに威厳のある人が降りてきて俺よりも先に部屋に入って行った。
その直後に、なんと是真さんの姿もあり、オレはビックリしながらも続いて部屋に入った。
その間中ではそのハゲメガネが平凛にさんざんなことを言っていた。
「この援助交際娘が!いくらもらったんだ!」
というような内容だった。
平凛は目にいっぱい涙を溜めながら、それでもハゲメガネに食い下がっていた…。
「やめい!」
是真さんが一喝すると、その場は静まり返ったばかりか、みんなその場で凍結した。
平凛は是真さんを見て安心したのか、急に泣き顔になり是真に、
「おじい様ぁ~私悔しいです…」
と泣きついた。
最初のコメントを投稿しよう!