1.平凛のダンナ、捕まる?

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1.平凛のダンナ、捕まる?

 「弁護士を呼べ!」 オレはそう叫んだ。 弁護士の指名はあるかと聞かれたので、「誰でもいい」と答えておいた。とにかく早く弁護士と話したい。高い出費になるだろうが仕方ない…。  オレは警察本部の中にある、ある部署の中にある取調室の中にいた。  この部署は簡単に言うと、我々警察官の行動を見張り、違法なことがあれば取り締まるというところで、全警察官に嫌われていると言ってもいいところだ。  オレが座っているのは、取り調べる側ではない方の取り調べられる(・・・・・・・)側に座らされていた。  (いったい何があったんだ?いったいどうしたらこんな目に遭う?)と、自問自答してみる…。  思いあたることは全くない。オレは何も悪いことはしていないぞ!  そりゃあ、高校生の嫁の平凛(ヒラリ)はいるが、ちゃんと結婚もしているし、夜していることだって、結婚してたら当たり前の事だよな。  「まだ認めない気ですか?ISD室長の岡野さん?」 前に座っているスラッとしたスーツを着た、いかにもエリートという感じの俺より少し若い感じの男がそう聞いた。  「認めるも何も、オレ…いや、私は妻とちゃんと結婚をしていますし、何も悪いことはしていませんよ?」 「いいえ、こちらでちゃんとウラはとってあります。市役所の戸籍を見ても、あなたには結婚歴はどこにも見当たりません。今していることは、ただのJKと同棲しているってことです」 エリートはそう言うと続けて、 「で?そのJKにいくらお金を渡しているんですか?まさかタダで同棲はしてないでしょう?その歳で。」  これ以上ないというほどの失礼な事をサラっと言いやがった。
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