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「初めまして。弁護士会からの紹介で参りました、西森と言います」
とその女性の弁護士は頭を下げた。
「あ、急にお呼び立てしてすみません。私はこの県警内のISDという部署の室長をしています、岡野と申します」
とオレも深々と頭を下げた。
「今日来てもらったのはですね、どうも私に青少年保護条例の疑いをかけられたようでして、私の妻が16歳の高校生なんですが、「18歳に満たない少女と同棲している」ってことで呼ばれた次第です。ちゃんと結婚しているのに、市役所の戸籍には記録がないと言うのです…」
とオレは状況を簡単に説明した。
「まあまあそれは災難ですね。婚姻届けはいつ出されたんですか?」
「えと、つい最近…3月の30日の夜だったと思うんですが、夜間受付に婚姻届けを渡して受理してもらいました」
「ふふっ、新しい民法が施行される2日前、ですね」
西森弁護士が何を言いたいのかはわかる。この4月から、民法が改正されて、女性の結婚年齢が18歳に引き上げられたからだ。併せて成年も18歳と決まった。
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