2.平凛、告白される

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2.平凛、告白される

 2年になった平凛(ヒラリ)は、苗字を神宮寺(じんぐうじ)から岡野に変えていた。クラス替えもあって、前のクラスで一緒だった人もあんまりいなかったので、名前の事は問題なく受け入れられた。  平凛の席の隣に、ちょっとデブの坊ちゃん風の男が座っていた。あともう少しで授業が終わるという時にその男は、横から平凛の机の上に四つ折りの紙を投げて来た。中を見る。 「今日の放課後、駐輪場横に来い。来ないときは、お前の秘密をバラす」 そう書かれていた。  平凛は別にバラされて困ることはなかったので、その紙をクシャクシャと丸めてそのデブに放り返した。  授業が終わった直後、そのデブは今度は口頭で言ってきた。 「来ないとダンナが困ることになるぞ。いいな。時間は3時半だ」  平凛は最初行く気はなかったが、「ダンナ様」ってとこが気になって仕方なくその時間に指定の場所に行った。  既にデブは来ており、 「よく来たな。お前、男と住んでるだろ?朝大きな家から出てくるのを見たんだよ。このことをバラされたくなければ、オレと付き合え。これは命令だ」 と言いたいことを言った。 平凛は、 「バカですかあなたは。私には夫がいるんですよ?」 「ええ?そんなウソを言って逃げようと言うのか?」 どうも人の言う事を信じないタイプの男らしい。 「信じる信じないは勝手ですけど、どのみちあなたに興味はありません」 と平凛はキッパリ断った。 「ぐっ…。お前、覚えてろよ!」 捨て台詞を残してデブは去った。
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