甘いのは嫌い

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白み始めた空と海に気づき、そろそろ太陽が昇る時間だと悟った。 ゆっくりと立ち上がり、握り締めていた巾着袋の紐を解く。 それから中身をひと掬い、ふた掬い…… 辺り一面に優しく撒いた。 これを口に含んだら、金平糖を噛み砕いたのと 同じ食感かもしれない。 もちろん甘くはないだろうし、溶けて消えたりもしないだろうけれど。 ううん、興味本位の悪戯はやめなければ。 『何すんだよ!ムカつくんだけど』 たぶんいつものように、不機嫌にさせてしまう。 生命の活動を司る、陽の光に照らされた海辺の砂と 同じくらいに砕いてあげた彼が混じり合い もうすぐキラキラと 美しく光って見えるに違いない。 その輝きを眺めながら 最初で最後のプレゼントとともに 彼の元に行くのだ。 ……再び出会う時、今度こそ 強く言わなくては。 「私、甘いのが嫌いなの」 「今はもう、間違いなく独身だよね」 待ってて これから、あなたの傍に── 〜〜Fin〜〜
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