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だいすき
『ふたりとも可愛い、いい子ね』、ママがにっこり笑ってそう言った。
声を上げてすぐに見えたママの慌てた顔に、ちょっとだけごめんね、と思ったけれど、そんな気持ちもごはんを前にどこかへ飛んでいった。
あぁおいしい。やっぱりママのごはんは最高。
もぐもぐ、もぐもぐ。隣で明生が羨ましそうに見ているのにも気がついていたけれど、もうちょっと待ってよ。こんなにおいしいごはん、まだまだゆずれない。
もぐもぐ、もぐもぐ。
あぁおいしかった。おなかいっぱいだよ。
けぷっと満足したところでママは明生のほうを振り向いた。わたしのときと同じようにごはんを差し出すママともぐもぐしている明生を、わたしは幸せな気持ちで見ていた。
優しい顔でにっこり笑っているママ。嬉しそうにごはんを食べる明生。
ほらね、やっぱり呼んでよかったでしょ? だってわたし、知ってたもの。ママは疲れていても忙しそうにしていても、どんなときでもわたしたちを見る顔はとっても優しいんだって。ママもとっても嬉しそうなんだって。ママ、だいすきだよ。ママもそうだよね?
今も言ってたもん。『ふたりとも可愛い、いい子ね』って。
だからね、わたしたち、ママを呼ぶの。だってまだそれしかできないもん。
わたしたち、可愛いのが武器なんだからね。
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