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表情ひとつ変えず、スカートの短い女の子たちに囲まれているというのに照れもしない。
堅苦しいというか…馬鹿がつくほどの真面目というか。
見ていて疲れるのだ。
そーじゃないでしょっ!!って、全力でツッコミを入れたくなる。
「…仲良くしたいのもあるんだ。わかった」
「えっ、ほんとに!?いいの…!?」
「うん。ボクに話しかけてくる女の子はシタゴコロがあるって覚えたから」
「えっ、ちょっ…!」
……あ、まただ。
私はいつからか彼の少し変わったところが目につくようになった。
光の反射?逆光?
最初はそんなふうに思っていたけど、必ずパターンがあるということを知った。
こうして新しいことを覚える度に、目の色が一瞬だけ赤色に変わるのだ。
それが私のクラスのちょっと変わった男子生徒───相良 透架だった。
「青花ってさぁ~、前から思ってたんだけど透架くんのこと好きでしょ?」
「……は?」
「今だってずっと見ちゃって~」
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