9人が本棚に入れています
本棚に追加
「もー、しっかたないなぁ~」
「ありがとう青花っ!」
それまで隣にいた美咲は大人しいグループの元へ駆けて行った。
彼女からすれば、私のこういう部分に対して妬ましくも思っていることだろう。
美咲の負けず嫌いな性格は口には出さないけれど顔に出る。
昔から私のほうが勉強も運動も得意なこともあって、私はそんなつもりじゃなくとも少し感じるものがあった。
あぁ私のこと、妬んで羨んで悔しがってるんだなって。
だから私たちはきっと───…友達ではない。
「ごめん美咲、遅れちゃって」
「べっつにー。それでねそれでね!ここのカフェのコラボ商品がすっごい可愛くって!」
教室に戻れば、大人しいグループの女の子たちとお弁当を広げている美咲。
自然と混ざるように机を合わせた。
「コラボ商品?どこの?」
「きのう教えたとこ」
「あー、…あそこね」
そっけない。そんなにさっきのことを根に持ってるのか。
だったら美咲も誘ってあげれば良かったかな…。
私だって言っていいなら、彼女のこんな子供っぽいところが苦手だ。
たとえ小学生からの知り合いだとしても他人は他人。
最初のコメントを投稿しよう!