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「まもなく下校時刻です、生徒の皆さんは速やかに安全に下校してください」
校内アナウンスに自分の声が響いたとしても、放送室にてマイクに話しかける私には恥ずかしさはそれほど。
決まった言葉を繰り返したあと、機械を操作して緩やかな音楽を流す。
アニメで使われる挿入歌。
これは委員長の趣味らしく、知ってる人と知らない人が綺麗に分かれる選曲となっていた。
委員会活動の日は、この一連が終わってようやく帰ることができる。
「うぅ…っ、そんな冷たい言い方しなくていいでしょ……っ」
「だってボクわからないから」
「ひどい…!透架くんがそんな人だとは思わなかった……!!」
え、なに喧嘩……?
教室に置きっぱなしだったスクールバッグを持ちに戻ったところ、教室からクラスメイトの女の子が飛び出してきた。
ギリギリ盗み見とは思われず、走っていった牧原さんには気にされなかったけど…。
教室に佇むひとりを見つけると、なんとも入りづらい空気には変わりない。
まさか謎だらけの人気者である相良 透架の、あんな言葉を女子に送られるシーンが見れてしまうなんて。
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