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こんな会話は、2000年初期の世の中だったらあり得なく滑稽で恐ろしい会話内容だろう。
人間をAIにする、なんて。
そう、選べるのだ。
青年が眠り続けていた時代では、命の終わりを選ぶことができた。
そのまま人間として生命を終わらせるか、
それとも人工知能───いわゆるAIとなって継続させるか。
「そうなりますと、第三人間として扱われることになりますが…よろしいですか?」
「……、」
ほとんどはまだ、前者を選ぶ。
とっくに人工知能が人類と同じ平等権を与えられてはいるが、まだ人間は人間の尊厳を失ってはいなかった。
しかしここにいる両親は、植物人間な息子の代わりに最大の選択をした。
それも法律で決められている合法。
本人がそれ相当の理由の上で発言が出来ない場合、そして本人が20歳未満の場合、決定権は保護者に渡されると。
「第三人間…、…はい、よろしくお願いします」
「…わかりました。では手続きを進めさせていただきますね」
第一人間は、ヒトとして生まれた生命体。
第二人間は、元から人工知能として生きる生命体。
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