13.求められて*

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 朝になり、眩しい光に起こされた。辺りを見回すと、透也がベッドのそばでネクタイを締めている。 「――わっ、わぁ~、ごめんなさい。すぐに朝ごはんの準備をします!」  急いで跳び起き、ベッドから立ち上がったところで、透也から手首を掴まれ制止された。 「大丈夫だ、綾芽。食事は作り置きが冷凍になっているから、温めれば食べられる」 「お仕事だとしたら、こんな遅刻許されないです。このままだと、社員として失格ですね……」  こんなに甘ったるい社員だとしたら、すぐに首にされてしまう。気落ちして、綾芽は視線を落とした。 「仕事はきちんと果たしている。昨日、充分働いてくれただろ」 「昨日!? 私は何も……」 「あれだけ興奮させておいて、何もしてないとは言わせないぞ。綾芽の声があんなに大き――」 「ひゃぁっー! 待って、待って、言わないで下さい!」  綾芽は両手を透也の口元へ伸ばし、声を荒げた。きわどい表現に、聞いていてこちらが恥ずかしくなる。透也は口を塞がれ、楽しそうにこちらを見下ろしている。  綾芽のしたことといえば、透也から丁寧に愛されて、ドロドロに溶かされて、何度も繋がって……。  思い出しているうちに昨夜経験した数々の場面が蘇り、透也の顔を見上げられなくなってしまった。 「そ、そんなことより、今夜も遅くなりますか?」 「ああ、そうだな。昨日より遅いかもしれない。でも、日曜は休みを取れるから、一緒にどこか出掛けよう」 「一緒に……?」
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