狐面の少女

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狐面の少女

 8月31日ー    鈴木シュウは、町に一つしかないコンビニでエナジードリンクと夜食の焼きそばを買いに来ていた。  この男、散々あった夏休みを遊びに費やして、大量の宿題を手付かずのまま放置していた。  その事実に気が付いたのは1日前であった。昨日からできそうな宿題を片っ端からやり続け、何とか読書感想文以外を片付けるに至っていた。ちなみに自自由研究は時間がないため諦めている。こればかりは気づくのが遅すぎたから仕方がないと割り切った。  できる限りの宿題をしていくのだから、たった2日間これはよくやったとほめてほしいものだとシュウは思っていた。なんせ少ないお小遣いを使って夜食を買うほど頑張るのだから。  コンビニから外に出ると生暖かい風が通り抜けた。盆地であるこの津和野の町は夏はとても暑いし、冬は寒い。せめて風くらいは涼しく会ってほしいものだ。  レジ袋をぶらぶら揺らして高岡通りを北に歩いて行った。街頭のあまりない道をスマホの心もとないライトを頼りに進む。  駅に近づくに連れて飲食店が増えていくが当然夜なのでしまっている。線路の向こう側には墓地や寺がありなんだか不気味に感じるのでシュウはあまり夜この道を歩きたくはないと思っている。  駅前来るとSLD51が存在感を放っている。この夏休みの間、この駅には撮り鉄や観光客が現在も運行されているSLを一目見ようと各地からやってきていたのを思い出す。
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