貴女が苦手です。

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本当なら麻美と距離を置きたい。 でも、そうはいかない。 『私達が不仲な姿を見たらお母さん達が悲しむわよ。』 と麻美に言われて以来、その言葉が足枷となっている。 喜怒哀楽がハッキリしているお母さんの事だ。 面倒臭い結果が待っているのが安易に想像出来る。 だから麻美と話し合い、“お母さん達の前だけでは目に見えて仲良くしよう“って事になった。 なので、家を出て近くの角を曲がればこの通りだ。 「未来、遅いわよ。早く歩きなさい。」 「あのね~、あんたが置いて行ったんだけど。」 全く悪びれる様子もない麻美へ急いで追いつくと、私は嫌々隣を歩いた。 1度でいいからギャフンと言わせない。 この高飛車な態度をへし折ってやりたい。 でも、今の私には正直無理だ。 だがしかしっ!!! それもあと少しで叶うっ!!!!!!! 入学した次の日に行われたバース性の診断結果が、明日家に届くからだ。 これで私が正真正銘のαだと証明されたら、と言うか絶対αだけど、私は“魔法”が使えるようになるっ! α最大の特徴。それが魔法だ。 αと診断されたら者は、何かしらの魔法が使えるようになる。 a家系の我が家はみんな魔法が使え、お父さんは炎を操り、お母さんは全ての生き物と会話が出来、お兄ちゃんは体がダイヤモンドより頑丈で力持ち。 それらの魔法を生かし、お父さんは消防隊の教官を勤め、お母さんは世界中の人とビジネスをし、お兄ちゃんは警察官として活躍している。 昔は不安定でバラつきのあったバース性の目覚めは、長い月日の中で今は高校入学頃の15歳・16歳に安定した。 そしてバース性診断を行う事で、バース性の自覚が本格的に目覚め、αは己の魔法を手に入れるのだ。 .
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