僕と彼の経歴

5/5
805人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
でもフラれた後、大学や近所で彼と会った時どうしたらいいのかが分からなくて、怖くて、僕は一時的な安らぎに逃げ続けている。 むくわれず傷つき続ける可哀想な初恋に引導を渡してあげずに、オタク趣味へ逃げている。 趣味に夢中になっている間は、彼のことも自分の情けなさも考えないですむから。 だから僕は次々に、気になる漫画アニメゲームを消費していった。 源くんに声をかけられたのは、新しい消費物を探している時だった。 彼は僕がオタクだと知ると、最近の『ファモキスカード』について布教してきた。 僕は彼のプレゼンの上手さにまんまと籠絡され、昔好きだったコンテンツに再燃したのだった。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!