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次の日になった。今日は家族で大型スーパーに行く予定の日だ。アシュリーは六時に起きた。グリーンのシャツにジーンズを穿く。一階に行ってミネラルウォーターを飲んだ。
テレビを観ていると母がリビングに入ってきた。もうメイクをしてある。
「アシュリー、早いのね」
「昨日、早く寝たから。ママも早かったんじゃない? 眠れたの?」
「幽霊のことが頭にあって。どこかで見たような気がするのよね」
アシュリーは眉根をよせた。
「それって重要よ。思いだせない?」
「喉元まで思いだせているんだけど……年なのかしら」
肩を竦めてジュシアは言った。アシュリーはなにかいい方法がないか考えた。例えば幽霊のことを忘れるような気分転換はどうだろう。ハッとなにかの拍子に思いだすかもしれない。
「大型スーパーで買い物を済ませたらテニスをしない? こういうときはリフレッシュしましょうよ」
「そうね。そういえば身体を動かしてないわ。デビッドに訊いてオーケイをもらったら車にラケットとジャージを積みましょう」
よかった。アシュリーは微笑んだ。父が起きて来たので買い物が終わったらテニスをしないか訊く。父はすぐに「いいアイデアだ」と言った。アシュリーは庭にある倉庫からラケットを三つ出した。
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