うつつ

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うつつ

 これはきっと夢だろう。  私は夢の中にいる気がする。  でないと、今の状況を認められない。  目の前で、過去の映像が流れ続けている。  これは、私の記憶だっただろうか? 「お母さん!私、朝ごはん、お米にする!パンは卒業する!」 「行ってきます。お母さん、今日も夜いらないから」 「お父さん、辞めて、もう子供じゃないから」 「ママー!あのお人形さん欲しい!買って買って〜」  いろんな記憶が流れ続けている。  どれも私だろうか?  視点は私だ。  瞬きをする度に、見えている記憶が切り替わる。  いや、夢の中だ。  瞬き、なのだろうか。  そして、これは記憶なのだろうか。  その時、フッと足元が不安定になり、暗い中を落ちていく感覚に襲われた。  そこで、目が覚めた。  僕は、現実を思い出した。  また、人の夢を見てしまった。  僕はいつ、いつ僕の夢を見れるのだろう。
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