第0話 無色透明

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第0話 無色透明

 ––––––俺は『独り』が好きだ。  独りは人間関係に悩まされることはない。  相手の機嫌を伺って、無理して歩調を合わせ、自分を殺す。  そんな気負いをせずに、気ままに生活できる独りが俺は好きだ。  その代償として、『友達』や『恋人』などの関係を持つことは出来ない。  俗に言う『孤独』だ。  きっと世間では、寂しい奴だとか、悲しい奴だと言って哀れむのだろう。  これまでの15年間がそうだったように……。  ––––––今日から始まる高校生活。  俺はこれまで通り、誰とも関わらずに大人しく過ごし、成績だけをキープして卒業していくだけの無色透明な学園生活を送るのだろう。 「この学園生活に何も求めてなどいない。ただ無事に卒業できればそれでいい」  独り登校中に漏れた呟き。  ––––––それが本音か冗談なのかは、未だに不明だ。
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