拓と咲彩

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拓と咲彩

「あや」 「ん?」 呼ばれて隣を見ようとしたら、優しく…抱きしめられて、ドキッとしてる。 「やじゃ、ない?」 「…うん」 イヤどころか、このドキドキどうしてくれるの、拓ってば。 「よかった」 拓はあたしから離れて 「好きだよ、あや」 ちょっとかすれた声の拓は、またあたしを抱きしめる。 「…拓」 どうしよう、涙出てきちゃった。 「うれしい、あたし…あたしも…」 好き、って言おうとしたのに、ことばが出てこない。 拓が好き、ってやっと自覚したのに。 自覚できたらうれしくなって、涙でことばに詰まっちゃった。 「好き?」 あたしを抱きしめたまま、拓に言われて頷いたら 「言って?あやの口から聞きたい」 あたしから離れて、額をこつん、てしてる。 「拓…すき」 ことばにしたら、身体が熱くなって、拓に触れたい、って思ったら 「あや…」 拓からの、優しい…キス。 「あやありがと」 「…っ」 ぎゅう、っと、抱きしめられて、あたしも拓の背中に腕を回す。 こんなに密着したら、あたしのドキドキが拓に聞こえちゃうよぉ。。
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