1節 悪夢のはじまり

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慌てふためいたロジーから、ナタリーを含む男女6人で昨日アドリアハウスへ入った話を聞いた。 「クラブで飲みながら話が盛り上がっちゃって…ナタリーが男女2人ずつで肝試しに行こうって話になったの…。ナタリー達が1番最初に入ってったんだけど……10分経っても出てこないから探しに入ったら……」 かなり動揺してるのか鳴き声で声はうわずっている。 「ねぇ、落ち着いて話して!」 「きっ…キッチンの扉に血溜まりが…かなり大量の血溜まりがあって…一緒の男の子が壁に…… はりつけられたみたいに…すごい顔で…し、死んでた‼︎」 「…え」 「一緒のはずのナタリーがどこにもいなくて…家にも帰ってないって…P rrrr…P rrrr…」 話を遮る様にロジーの部屋の電話が鳴り始めた。 「あぁロジー…電話なってる…」 「え…どどうして!この番号…ザッザッ…ザー… 怖いよ!助けてリムウェル‼︎助け………ザザーッ」    声が雑音でかき消されていく。小さくなっていくロジーの声に背筋が凍る感覚がした。 ブツッ!ツー……ツー…… 「ロ、ロジー…?ねぇ、ロジーってばどうしたの⁈」 切れたスマホをみつめながら、しばらくその場から動けなくなった。 一体どうなってるの? 咄嗟にかけ直したがコール音がするばかりで、 ロジーには繋がらなかった。 その日一睡も眠れず、どれくらい時間が過ぎたのか。 窓の外は次第に真っ暗な暗闇からうっすらと明るくなっていた。 「……電話。電話しなきゃ」
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