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「何歳なん?」 「34」 「おじさんだね」 「美穂さんは?」 「30」 「おばさんだよ」 「失礼な事を言うね」 「お互い様だよ」 公園から駅に向かい、電車に乗って、それから列車にも乗った。 その中で会話する事が非日常で楽しく感じる。 「美穂さん、家の方は大丈夫なの?」 「どう言う意味?」 「旦那さんとか子供とか」 「あー、ウチは独身やねん」 「ごめん」 「だから謝んな」 「分かった」 「んでなんで一人で居るん?」 「あの街に知り合いの彫り師が居るから会いに行ってたんだ」 「彫り師?」 「刺青を彫る人の事」 「なんで会いに行ったん?」 「僕も彫り師なんだ」 「凄いね」 「そうかな」
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