第2話 キャラメイキング①

1/1

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

第2話 キャラメイキング①

気がついたら真っ白な空間?にいた。 そして目の前には一人女性がいて、彼女から声を掛けられた。 「ようこそ、来訪者様。私はあなたのキャラメイキングとチュートリアルを担当するサポートAIです。」 えっ?! 一人一人のプレイヤー毎に担当者が違うの? …っていうかサポートAIってどういうこと? こんなにリアリティーあるのに、彼女はAIってこと? 「…えぇっと、私の担当っていうのはどういうことでしょうか?」 「このゲームでは「マザー」と呼ばれる無数の高度な並列処理を可能とした学習型の高性能AIを搭載しているのですが、その「マザー」が分割してプログラムされた一部の高性能AIがプレイヤーのサポートAIとして、キャラメイクやチュートリアル等をさせていただくことになりました」 へぇ~そうなんだ。…ん? つまり「マザー」っていうAIは集合型AIでもあるってことだよね? 慣用句でいう「一にして全」ってやつをAIという形で体現させた感じなのかな? 「そうでしたか、教えていただきありがとうございます」 「どういたしまして。…ところで、来訪者様のお名前は何でしょうか?」 あ、そういえば話が脱線しかけてた。危ない危ない、気を付けなくっちゃ。 「えぇっと、名前はシルヴィアです」 「シルヴィアですか…いい名前ですね」 「そうですか、ありがとうございます。ところで、あなたの名前は?」 「名前? 特にありません。強いて言えば…ウィンディーネでしょうか?」 「ウィンディーネ? つまり、あなたは水の精霊なんですね。でも、それじゃあ名前っていうより種族名って感じで呼びづらいから、名前を付けさせてもらってもいいですか?」 「えっ…いいんですか!? ありがとうございます!! さすがにこの名前?はどうかと私も思っていたんです!!」 どうかと思ってたんだ…。まぁ、そりゃあ気にもするか…種族名兼役職名みたいな感じだもんね(苦笑) …というわけで、種族や外見を参考にサポートAIさんの名前を付けることになった。 彼女の容姿は、海を連想させる原色に近い青の髪とサファイアのような瞳、そして巨乳とは言わずともそこそこ大きめな胸と、そこそこ大きめな尻etc...といった感じの中々セクシーなスタイルである。 正直、リアルの私より胸もお尻も大きいし腰もキュッと(くび)れてて、セクシーなスタイルだからちょっと羨ましい。 まぁ…幸いにも私は貧乳とか壁って呼ばれる程ではなかったから、嫉妬する程のものではないけどね。 服装はドレスのような衣装で、その色はこれまた海を連想させる色ではあるが、こちらはグラデーションが入っており、上の方は濃いめの青い海色で、下に行くにつれて明度と彩度が高くなっている。さらに、ヘアアクセサリーとネックレスを付けていて、どちらも雫型のものとなっている。 彼女の容姿と服装やアクセサリーとが組み合わさって、神秘的な雰囲気って感じ!! やっぱり精霊っていうだけあるってことかな? 「ん~、青で精霊ならやっぱり水でしょ。色的には海って感じだからアクア。…って、さすがにこれは安直かなぁ…。あ、そうだ!!海は英語で “sea(シー)„ って言うでしょ、それをちょっと捻って…「シーア」っていうのはどう?」 「それ、いいですね。名前を付けてくださり、本当にありがとうございます。実は、「ウィンディーネ」って名前を付けたのはここの運営の方々なんです。彼ら、仕事の腕はいいんですが、ネーミングセンスの才能は微妙で…。」 「そっかぁ…それはご愁傷様。」 「あ、そういえば!! お礼にこれをお渡しします」 えっ…お礼って何のこと?? 『称号【シーアの名付け親】を獲得しました』 『称号【最初にサポートAIの名付けをした者】』 『称号【最初にキャラメイクで称号を獲得した者】を獲得しました』 えっ、まさか…。 「あの、渡し忘れてたっていうのは…?」 「称号のことです、受け取れましたか?」 「え、えぇ…受け取れましたと思います。それって、多分【シーアの名付け親】、ですよね?」 「そうです、それです!!」 「そうですか。…それと、後の二つは…?」 「あぁ、それはシステム上の判定による称号です。そちらもチュートリアルの時にご説明いたしますので、もうしばらくお待ちください。…あ、そういえば!! サービス開始までの残り時間は…大変!! サービス開始までリアル時間であと20分しかありません!! 少し急ぎましょう」 えっ…もうそんなに時間経ってたの!? 確かに少し急がなくちゃね。 「あ、でもそんなに急ぐ必要はないと思います。大体外見とオリジナルスキルは考えてありますし」 「それは安心しました、助かります。でも、他の来訪者様たちは、そんな事前準備できていないようですが…」 えっ…そうなんだ、ちょっと意外。私みたいな人って、ゲーマーとかファンタジー好きな人なら結構いると思ってたのに…。ちょっと残念だなぁ…。 「実はすごく楽しみにしていて、待ちきれなかったんです。それに…想像力っていうか妄想力?には自信あったので、つい…(照)」 「ふふっ…そうですか、それは楽しみです」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加