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その人は身長がお父さんより少し低いぐらいでハーフっぽい顔立ちだった。
す、凄くニコニコの笑顔でこっち見てくる…
「ん?外部生の子じゃない?」
「あ、えっと、ぼ、僕…外部生です、お父さんに案内してくれる人が来るから待ってなさい、って言われてて、えっと…」
と、吃りながらも言うと
「やっぱり!ごめんね、本当は来るはずだった副会長の子が外せない仕事ができちゃったみたいで寮監の僕が変わりに駆り出されて、お迎え遅くなっちゃったんだよぉ」
すごく申し訳なさそうな顔してる…
「あ、ちなみに僕の名前は深瀬ユーリだよ。君は確か…」
「えっと、あ、な、名前、僕は春田雪乃です、よろしくお願いします…」
所々つっかえちゃったけどちゃんと言えた!
「おっけー、雪乃くんだね、よし、じゃあまずは理事長室行ってから寮を案内するね。とにかくここの門から校舎まで遠いけど頑張って歩こ!無理そうだったら言ってね。抱っこでもおんぶでもどんと来いだよ!」
や、優しい…
「は、はい!」
この時の僕は知る由もなかったんだ。足を踏み入れた今この瞬間から、ここの高校が如何に普通の高校とは違うのかということを…。
そして、僕がこの先3年間個性豊かな生徒に囲まれて変化していくことを。
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