わんこのアレルギーに直視した時【前編】

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わんこのアレルギーに直視した時【前編】

大吾朗は、マロンたちに話をした。 ことが、ある病気に悩んでいることを マロンとミルク、ラルナに話した。 『あのね、ことは食べ物のアレルギーで 食べてはいけない物があるんだ』 『食べ物のアレルギーは怖いわよ。 ことちゃんは、食べてはダメって ママから言われている食べ物ある?』 『あたしの場合は、お米と玄米、 トマト、大豆、牛肉、シシャモ、 卵、オートミール、七面鳥、ビール酵母、 エンドウ豆が食べられないの』 『そうなのね。 食べ物のアレルギーは怖いのよ。 食べてはいけない物を口に入れただけで 命を落とす危険があるのよ。 アナフィラキシーショックになって 命を落とすんだってパパから聞いたわ』 『食べ物で命を落とすなんて考えられない』 『そうでしょ? でもね、アレルギーはわんこだけでなく 人間にも起こることでもあるのよ』 食べ物のアレルギーは、人間だけでなく わんこを含めた動物にもある。 そのため、食べる物を吟味する必要がある。 賢治は、喫茶店を開店する際に 食べ物のアレルギーについて猛勉強した。 猛勉強というより医学部時代に収集した 医学書を読み返すことに集中していた。 「賢治さんは、医学の知識を お持ちなんですね」 「亡きおやじが医者だったんで、 英才教育を施されただけなんだ」 「それでもすごいです」 「この知識のおかげで店での対応がいいと 爆上がりしたんだよな。 ちなみに、うちの母さんとの出会いも 医学部にいた時だったんだ。 うちの母さんも医師免許を持っている」 賢治と静江が出会ったのは、 長崎大学に通っていた時であった。 お互いに医師になることを目指して 医学部に入ったことで 同じ医療を志す者として 二人は戦友となっていった。 ところが、賢治と静江が医学部を卒業して インターンで仕事をしていた時に 静江の両親が事故で他界した。 その時に両親から譲り受けた 今の店を守るために二人で後を継いだ。 ところが、付け焼き刃で 見切り発車で始めたことで 店は閑古鳥が鳴く日が続いた。 その時に賢治と静江が考えたのは、 食物のアレルギーだった。 このアレルギーは人間だけでなく 動物にもあると着目したことで わんこ同伴の喫茶店として店を再建できた。 店が再建したことでわんこ同伴で来店する お客様から喜ばれていた。 その上昇気流に乗ったことで 賢治と静江が夫婦となったのだ。 この食物アレルギーをきっかけに 店のメニューにアレルギー食材ならびに わんこのNG食材を使わないことを 注意事項として記載していた。 そのおかげで常連のお客様が 毎日のように来るようになった。 そんな賢治の昔話を武志たちは 静かに聞いていた。 このあと、賢治からわんこのNG食材を 武志たちに話していくのだが、 この続きは次回の講釈で…。【後編に続く】
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