わんこのアレルギーに直視した時【後編】

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わんこのアレルギーに直視した時【後編】

賢治は、わんこのNG食材となっている 食べ物を武志たちに説明していた。 「わんこのNG食材であげられるのは、 玉ねぎ、ニンニク、ニラだ。 あと、スィーツのなかでは チョコレート、コーヒー、レーズン、 ブドウがNG食材になるんだ」 「何気なく食べている物も わんこにはNG食材になるんですね」 「そうなんだ。アレルギーを起こす食材は、 人間が何気なく食べている物と思っていい」 ラルナの優しさに心を開いた ことは、本当は大吾朗と一緒に なんでも食べたいと泣き出していた。 『こと、泣かないで』 『だって、だって、体が(かゆ)くなるからって なんでも食べられないのが悲しいの!』 『ことちゃん、好きな物を 食べられないのは悲しいわよね。 だけどね、体が(かゆ)くなったり、(のど)に詰まって 息ができなくなることは、もっと悲しいのよ。 ことちゃんのママは、ことちゃんに 元気で過ごしてほしいのよ。 それにね、ことちゃんがいなくなったら 大吾朗くんもだけど、マロンくん、 ミルクちゃん、あたしも悲しいわ。 だからね、病気に負けないで』 ラルナが一生懸命に諭していく優しさに マロンとミルクは感動していた。 ラルナのように優しい気持ちを持とうと マロンとミルクは思っていた。 『ことちゃん、病気に負けないでね。 ぼくもミルクも友達だからね』 『マロンくん、ミルクちゃん、ありがとう』 ことは、ラルナの言葉を聞いて 自分の病気を受け入れて 頑張って生きていこうと決心していた。 一緒に暮らしている大吾朗のためにも 友達になったマロンとミルク、 そしてラルナのために病気を受け入れて 生きていこうと思った。 「ラルナちゃんのおかげで ことは自分の病気に立ち向かっていく 勇気をもらいました。 本当にありがとうございます」 奈緒美は、ラルナのおかげで ことが病気に立ち向かう 勇気をもらえたことに感謝していた。 「ラルナは優しい子です。 かつて主人が地元を離れていた時に 主人の心の支えになったのがラルナでした。 ラルナは私たちの娘です」 静江の言葉が賢治の心を癒していた。 静江と愛犬のラルナがいることで 賢治は心を癒されていた。 「こうして店をやっていけるのは 母さんとラルナのおかげだ。 これからも家族で一緒に 頑張っていこうと思っている」 「そうですね。 お父さんがマスターになってから お店の人気が爆上がりになったわ。 これからもよろしくお願いします」 この喫茶店が人気が高いのは、 賢治と静江のお客様への心遣いだと 武志と寛子はそう感じていた。 ラルナが心を砕いたおかげで ことは、自分の病気に負けないと マロンとミルク、大吾朗とラルナに 高らかに宣言をしていた。 これを見た奈緒美は、 ことが天寿を全うするまで 育てていこうと心から思っていた。 そして、武志と寛子は愛犬である マロンとミルクを天寿を全うするまで 我が子と同じように育てていこうと 心から思っていた。
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