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家族の剣士麿くんと琉くん【後編】
雅史は武志たちに麿と琉が
家族になった経緯を話していた。
「麿は、結衣と遊びに行く前に入った
ペットショップで出会ったんです。
子犬の麿を見た時は可愛いなと思いました。
ペットショップを出てから結衣と話をして、
店に戻ったオレたちは麿を家族に迎えました」
雅史と結衣が麿を迎えてから
数日後に琉を飼っている
雅史の親友が病気で亡くなったことを
武志たちに話していた。
親友の飼っていた琉を
親友が回復するまで雅史は大切にしていた。
「琉は、オレの親友の家で飼われた子でした。
親友が病気で入院することになったので
退院ができるまでオレが預かっていました。
ところが、親友の容態が急変して
オレが結衣と一緒に最期を看取りました。
親友の最後の言葉は、琉を頼むでした。
親友の告別式が終わり四十九日を迎えた時に
琉を正式に我が家に迎えました」
琉は、麿を弟として接していた。
麿は、琉を兄として慕っていた。
そんな二人が家族となったことは、
雅史と結衣にとって大きな喜びであった。
「麿と琉は、チーズが大好きなんです。
二人とも食べ物の好き嫌いはなく、
なんでも食べる子です。
麿と琉は、お互いに
自分のことを兄弟と思っています」
武志は麿と琉を見て、
かつてのマロンとミルクを重ねていた。
マロンとミルクは、聡美先生から
里子として武志に託された子であった。
今では家族の一員として
癒される存在となっていた。
『マロンくんとミルクちゃんは仲良しだね』
『ぼくらは双子なんだよ』
『そうか、ぼくと麿みたいだね。
ぼくね、今のパパの家に来てよかった。
麿という弟ができて幸せだよ』
『パパが琉兄ちゃんを
連れてきた時に言ったんだ。
麿、今日から琉が
お兄ちゃんだよってね』
『あたしと同じだ。
パパとママが結婚する時に
桜と梅は今日から姉妹だよって
言ってくれたの。
新しい家に入ってから
桃が弟として加わったの』
『あたし、お姉ちゃんができて嬉しかった。
新しい家になってから
桃が来た時は嬉しかった。
あたしね、ママと住んでいた時に
兄弟がほしいなって思っていたのよね』
『ぼく、桜姉ちゃんも
梅姉ちゃんも大好きでち』
『桃くんは、お姉ちゃんが大好きなんだね。
ぼくも琉兄ちゃんが大好きだよ』
マロンとミルクに新しい友達ができた。
これからもマロンとミルクは、
たくさんの友達に出会うだろう。
そのなかで飼い主どうしの交流が
たくさんできるだろう。
これからも飼い主どうしで
繋がっていくことを願ってやまないと
武志はそう感じていた。
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