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(あ~あ…何やってんだろ…)
自分の馬鹿さ加減に、大きな溜め息が漏れた。
(そろそろ帰ろう…って、すでにかなり長居しちゃったなぁ。)
そう…今日は少し早めに来たんだ。
人が少ないのを良いことに、コーヒー一杯で今まで粘って…
(あ……)
ぐぅと、お腹が鳴った。
そりゃそうだ。
朝は食パン一枚しか食べてないんだもの。
昨夜から、なんだかそわそわして、今朝はとにかく早くに目が覚めて、食事どころじゃなかったから。
(サンドイッチでも食べようかな。)
そう思い、立ち上がろうとした時、私は金縛りにあったかのようにその動きを止めた。
だって…
あの人が…
気になってたあの人が来たんだもん。
彼は、階段を上り、なんの迷いもなく、あの席に向かった。
そう、この間座ってた窓際のあの席だ。
きっと、そこは彼の指定席なんだ。
(良かった、ここに座ってて…)
ここからは、彼の顔がよく見える。
だけど、少し離れてるから、照れくささも紛れる。
本当は、以前、彼の座ってた席に座ろうかとも思った。
でも、なぜだかそこには座れず、私は離れた席に座り、彼の幻影を頭に思い描いた。
私は彼に一目惚れしてしまった。
三ヶ月前、たまたまこの店で彼を見て、一目惚れしてしまったのだ。
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