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だけど、言えるはずなんてない。
『あなたに一目惚れしました。』なんて。
(わっ!)
彼と目が合いそうになって、私は慌てて目を伏せた。
それからというもの…
私の心の中に、彼がすっかり棲み付いて…
どんなに振り払おうと思っても、振り払えない。
元彼と別れたのは三年と少し前。
最初のうちは寂しかったり、焦ったりもしたけれど、そのうち彼氏のいない毎日にも慣れてしまって、最近では恋愛に気持ちがいかなくなっていた。
恋心なんて忘れたと思ってたのに、その恋の復活がまさか一目惚れなんて…
馬鹿みたいだってことはわかってる。
余程のことがない限り、もう会うこともない人を好きになったって仕方がない。
なんとか忘れようとしたけれど、そう思えば思う程、彼への気持ちが熱くなる。
私の気持ちはいつしか止められなくなって、あのコーヒーショップに行くのが休日の日課となった。
あの日は、水曜日だったから、水曜になると、私はいそいそとコーヒーショップに足を運んだ。
だけど、あの日以来、彼に会うことはなくて…
街を歩いてる時も、無意識に彼を探した。
けれど、どこにも彼の姿はみつけることが出来なかった。
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