美しき微笑みのあの人に恋をした。

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ズラリと並んでる文字は、『魔導の聖剣』 そして、凛宮司海斗という名前。 えっと…落ち着け、私。 今、大ヒットして、コミックスバカ売れで、映画化までした漫画が『魔導の聖剣』で… 私の目の前にいる人が凛宮司海斗さんで… このコミックスは凛宮司海斗が出してるもので… 「えーーっ!」 レストランの中に、私の素っ頓狂な叫びが響き渡った。 「そんなに驚かなくても…」 「だ、だって、魔導の聖剣って、今大ヒットしてるやつじゃないですか。 コミックスは売り切れ状態、アニメの視聴率も高くて、実写版の映画は大ヒット…」 「映画は、アイドルが主演したからだよ。 確かに、コミックスは売れてるけど、原作は友達だから。 僕は細かな設定をして漫画を描いただけだから。」 えーっ! まだ混乱がおさまらない。 っていうか、信じられない。 海斗さんが、ニートどころか、大ヒット漫画家だったなんて。 (あ……) そういえば、表紙を依頼する時、「僕には描けない」って言ってたけど、それは漫画家だけど、恋愛小説に合う絵柄は無理ってことだったの? でも、そんな売れっ子漫画家がなんで小説なんか… 私はそのことを率直に訊いてみた。
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