美しき微笑みのあの人に恋をした。

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その後…… 例の純文学コンテストで、海斗さんの小説が大賞に選ばれ、書籍化が決まった。 海斗さん、小説の才能もあったんだね。 びっくりなんですけど~! 海斗さんって意外と地味な人らしく、表に出るのをすごく嫌がる。 マスクや伊達メガネをしていたのも、出版社の人が海斗さんをイケメン漫画家として表に出そうとしたかららしい。 今回の小説の出版も、あくまでも『KR』として出すみたい。 凛宮司海斗だとバレたら、また騒がれるから。 私たちの仲はそれなりに順調だ。 私は海斗さんの影響で本を読むようになった。 今までの癖で、読んだら感想も書いている。 『イケメンアレルギーに効く薬はあなたのKissだけ!』 も、連載開始した。 前作とは全く違う明るく楽しいラブコメだ。 まるで、違う人が書いてるみたい。 主人公ゆかりのモデルは私。 時にはあまりにリアルで恥ずかしかったりする。 「今日のエピソードはどうだった?」 「うん、すっごく面白かった!」 「友香はそればっかりだな。」 最近では、マスクやメガネがなくても、以前程、顔が熱くなることはなくなった。 「今日もお薬をあげるよ。」 海斗さんの唇が近付き、優しく重なる。 (甘くて最高のお薬だね…) きっと、この作品が完結する頃には、私のイケメンアレルギーもすっかり治ってる…はず。
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