プロローグ

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プロローグ

 小さな悲鳴とともに、目の前の、汗ばんだ白い背中が艶めかしくしなる。 「あっ、ぁあ……っ!」  その声が耳の中にこだまする度、亨流(とおる)は、抗えぬ力によって、遠い処に運ばれていくような気がする。どこか現世を遠く離れた、別の場所に。実際に(みどり)を四つん這いに組み伏せ、意のままに攻め立てているのは、亨流の方だというのに。
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