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 古き良き時代の、道徳と退廃が混ざり合った空間。 (道徳も退廃も、碧にはよく似合うが――)  視線を戻し、美しい寝顔を再び鑑賞する。  どこか懐かしい面影のある美貌。碧は、亨流の親友、中津博昭(なかつひろあき)の忘れ形見だった。死んだ親友の息子に手を出すなど、正気の沙汰とは思えないが、後悔はしていない。 「……起きてたんですか……?」
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