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 いつのまにか目覚めたらしい碧のかすれ声がして、亨流は我に返った。 「……ん? ああ、……飲むか?」  ベッド脇の椅子に置かれていたミネラルウォーターをとって渡してやる。碧が軽く喉を抑えながら、上体を起こした。 「ありがとうございます」  掠れた声を吐いた桜色の唇がペットボトルに触れ、喉がコクコクと音を立てる。 (ちょっと喘がせ過ぎたかな)
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